緒方監督、長野と“がばい同盟”じゃ!佐賀出身の後輩にチョ~期待
広島の緒方孝市監督(50)が9日、マツダスタジアムを訪れ、松田元オーナー(67)に新年のあいさつを行った。その後、報道陣の取材に応じ、巨人へFA移籍した丸の人的補償で獲得した長野について言及。自身と同じ佐賀県で隣町出身のベテランとリーグ4連覇と日本一を目指すと話した。実績や経験は申し分ないだけに、後輩への助言など、数字に表れない部分でも大きな期待を寄せた。
緒方監督は監督就任5年目を迎えた。丸の巨人FA移籍や新井の引退、エルドレッドの退団。今季も昨季とは違うメンバー構成で挑むが、セ界の荒波を乗り越える陣容は整えた。最後に加えたピースは長野。指揮官は合流の日を待ちわびた。
「FAの人的補償で長野に決めて、これでメンバーがそろった。リーグ優勝、日本一に向けて戦う上で彼の力は必要。本当に期待することは大きい」
球団が獲得を発表した7日。緒方監督はロサンゼルスで自主トレ中の34歳から国際電話で「お世話になります。よろしくお願いします」と連絡を受けた。丸のFA移籍により昨年12月に受け取った巨人からのリストは、多くの若手がプロテクトされていたという。その中で「彼が必要だなという会社の判断、そしてわれわれ(現場)の判断がそういう答えになった」。昨季は116試合で打率・290、13本塁打、52打点。入団から9年連続100安打を達成するなど実力は申し分ない。
さらに指揮官は数字に表れない部分の貢献にも期待を寄せる。「年齢的に経験がある選手が抜けた。何より経験をしていて年齢的にも一番良い。若手に対してものを言える。野球への取り組みは良いイメージしかない」。獲得が決まると会沢や鈴木らに加え、大瀬良も打者目線での助言を求めたいと言った。人柄がよく、巨人では後輩たちから慕われていた。日本一の経験もある。ベテランと若手の融合。プロ9年間で培ってきたものの還元はチームにとってプラスになるはずだ。
外野は中堅と左翼のレギュラーが決まっていない。ただ、ポジションは確約せず「今は真っさら。キャンプで競争してもらった中でポジション、打順を決めていく」。緒方監督は就任以来、一貫して「競争」を掲げてきた。激しいチーム内での争いが個々のレベルを上げ、リーグ屈指の選手層の厚さにつなげてきた。たとえ実績十分の長野でも指揮官の流儀は変わらない。
「環境が変わる。力を最大限引き出してあげられるかを考えていきたい。本人は気を遣うことはないし、集中して力を発揮してやってもらえれば」。同じ佐賀県出身で「実家も近い」という。“がばい強か”チームをつくり、リーグ4連覇と35年ぶりの日本一へ突き進む。