薮田、復肩へ高速仕上げ 早くも捕手座らせ投球「早く仕上げれば早く課題も出る」
広島・薮田和樹投手(26)が18日、復肩へ高速仕上げで春季キャンプに臨み、開幕から1軍でフル回転する青写真を明かした。広島・廿日市市の大野練習場で行われている合同自主トレに参加。今年初ブルペンでいきなり捕手を座らせ、投球練習を行った。早めに万全な状態を作るため、16日まで初めてハワイで自主トレを敢行。不本意なシーズンを送った昨年の経験を糧に開幕1軍、その先のフル帯同を目指していく。
大野練習場の室内ブルペン。薮田は半袖姿に鋭い眼光で腕を振った。捕手を立たせた状態で23球、座らせて10球。今年初ブルペンで勢いよく直球を投げ続けた。「早く仕上げている方です。(捕手が)立った時の感覚も良かったので座らせて。現時点でどれぐらい力のある球を投げられるかと」と納得の表情を浮かべた。
ブルペンで示したように、体の準備を着々と進めている右腕。高速仕上げへの意図は明確にあり、「去年も感覚はよく入れたけどオープン戦ぐらいから崩れて、その原因が分からないでシーズンに入った。早く仕上げれば早く課題も出ると思う」と説明した。
昨年はオープン戦前に背中や膝に痛みを発症していたが、その他の面でも不調の原因があるのではないかと考え込んでしまったという。その結果、9試合で2勝1敗、防御率5・74に終わっただけに「不安なく入りたい」というのが偽らざる本音だ。
仕上がりを早くするため、今月5日から16日までは初めてハワイで自主トレを行った。温暖な地で「肩を休めないように」とキャッチボールを継続し、主にウエートトレに力を注いだ。昨年体の痛みにより出力が落ちていたことから、三浦トレーナーに「筋肉量を増やすことと、瞬発系のトレーニングを同時にしよう」と助言を受け、実行している。
今後は出力を上げた中で、課題のコントロールと擦り合わせる作業に入る。一昨年は15勝3敗で最高勝率を獲得した右腕にとって、プロ5年目は巻き返しを図る年になる。まず開幕1軍を掲げた上で、「1軍で使い続けてもらうことが一番。3年目も中継ぎからのスタートで、ずっと1軍で使ってもらっていたので、それがああいう成績につながった。目標は全試合勝つこと」と力を込めた。
春季キャンプまで約2週間。「何を求められてもできる準備をして臨みたい。去年失敗したからこそ、もう1回やってやろうと思っています」と薮田。自信を持ってキャンプにもシーズンにも入るために、必死の形相で戦う体を作り上げる。