【菊池涼×新井氏特別対談2】グラウンド外でも“長男”の役割を
広島の菊池涼介内野手(28)と昨季限りで現役を引退したデイリースポーツ評論家で前広島の新井貴浩氏(42)が4日、春季キャンプ特別対談に臨んだ。ナインはチームを「家族」という言葉で表現する。昨季までの長男と“新長男”とが、3連覇を成し遂げ、今季4連覇の偉業に挑む強さの源などを熱く語り合った。
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-菊池涼選手はチームのまとめ役も率先している。
新井「キクに全部を背負わせるのはみんなないと思うけど、キャプテンシーを発揮してもらわないといけない選手。グラウンド内はもちろんだけど、その外でも少しずつやることは多くなってくる。でもできるし、期待もされている」
菊池涼「今年の最初から言ってるけど、首脳陣も変わっているし、その間を詰めるのがまずは最初の仕事だと思ってます。さらに長野さんが来ることになった。先乗り自主トレに来てもらいましたけど、一番初めにしゃべられるのは僕とかまっちゃんとか、1軍でプレーしている人に限れるかなと。何とかフォローできればと思ってずっとやれたし、その延長でキャンプ初日の練習前の円陣では声だしをやってもらいました」
新井「そうなん?」
菊池涼「人柄が良いので心配していなかったけど、僕たちが気を使ってしまったら、後輩たちもそうなるかもしれない。お客さまみたいな感じになってしまうのは嫌なので、そこは意識しました。だから一緒にいるようにもしました。もうチームの一員ですから」
新井「キクは誰もが認める立派なプレーヤーであるのは間違いない。数字的な結果を残すことがプロとして大切なことだけど、キクに求められるのは、グラウンド外のところもある。いろんなところに目配り、気配り、心配りができているから周囲が頼りにしている。どんどん自分から発信してやっていけば、僕はすごく良いと思う」
-菊池涼選手個人について、キャンプは順調ですか。
新井「結構良い?」
菊池涼「足がめちゃくちゃ動きます。食事を制限しているので、それで楽なんです」
新井「小麦類を制限するグルテンフリーをやっているんだっけ?」
菊池涼「全部じゃないですけどね。去年の12月に自主トレ先のロサンゼルスでやっていたのを継続しています。日南のケータリングでうどん、ラーメン、ちゃんぽんとかが出ますけど食べてないです」
新井「元々、麺が好きだよね」
菊池涼「大好きです。うどんとかそば、大好きです」
新井「最初はしんどかった?」
菊池涼「マジかよ、食べたいなって思いました」
新井「継続することで体調管理はうまくいくね」
菊池涼「ロサンゼルスで借りた家の、知り合いの人が、トライアスロンをやられていた女医の人だったんです。その人に揚げ物とか小麦系は胃を荒らすだけだからパフォーマンスが落ちるよって言われました。試合前のケータリングは、麺よりご飯にしなさいとも言われて。できる範囲で頑張ってみますと約束したんです」
新井「トライアスロンってすごいもんね」
菊池涼「全部が全部、正解じゃないけど、パフォーマンスは確実に上がりますと言われたんです。胸にぐさっと来ました」
新井「体は動くんだね」
菊池涼「自主トレのときも足を動かすということをテーマにおいてやってきて、先乗り自主トレも支障なく動けました」
新井「それだったら良いよね。一番、走ることが大事。でも逆に気をつけた方が良いよ。動き過ぎるから。まだ寒いし、よっしゃ動くじゃんって思ったら知らない間にオーバーペースになってケガをすることもある。それが怖いよね」
-新井さんは解説者としてデビューした。
菊池涼「そういう仕事に就くんだろうと思っていたけど、改めてスーツを着て横にいると気持ち悪いですよね(笑顔)」
新井「(笑顔)キクは違和感がめっちゃあるって言ったよね。僕も来る前はスーツでキャンプに行ってみんなと顔を合わせたら変わった感覚になると思っていたけど、思いの外変わらなかった」
菊池涼「こうやって会える機会はたくさんあるので、困ればすぐに連絡します。中から見る目と外からの目は違うと思う。最初に、外から見てどうですか?って聞きましたけど、これが一番大事だと思う。これから結構聞くと思います」
新井「キクにああしろ、こうしろというのは全くない。今まで通りやってくれたら何も言うことはないよ。ただ求められる役割はグラウンド外のところでも増える。聞きたいことがあるなら遠慮なく言ってきてほしい。聞かれたことに対しては、何でも言葉を返したい。準備したいと思いますね」