ドラ1小園 プロ1号 九里とのプロ初対決でいきなり 他球団007大絶賛
「広島春季キャンプ」(5日、日南)
広島のドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=が5日、初めてプロの投手とフリー打撃で対戦し“プロ1号”を放った。九里の直球を振り抜き、右中間最深部に放り込んだ。広角に打ち分ける技術に加え、パンチ力も示した打撃を他球団の007も高評価。ドラ1ルーキーは着実に成長を遂げている。
乾いた打球音が日南の空に響き渡る中、小園がはじき返した白球は高い放物線を描きながら右中間方向へ伸びた。フェンス手前でも勢いは失わない。バックスピンがかかった白球は外野席の芝生の上ではずんだ。プロの投手と初対戦でいきなり“プロ1号”。スタンドからは驚きの声が上がった。
「ホームランバッターじゃないけど、良い角度でバットが入ればスタンドに入るとわかった。そういうのを増やしていけば、打撃の幅は広がる」
九里と対戦。23スイング目で飛び出した。右腕はこの日がフリー打撃初登板。そのため球種は直球のみと制限がかけられていた。それでも昨季8勝した投手の直球を一閃(いっせん)。パンチ力も示した打撃に他球団のスコアラー陣は震え上がった。
阪神・太田スコアラーは「最初なのにバットが振れる。すごいことだし大したもの。さすがドラ1。周りの選手に引けを取らない」と絶賛。中日・鈴木スコアラーも「良いバッティングをする。しっかりと振れるしコンタクト率が高い」と評価した。
広角に打ち返す打撃も披露した。1球目の外角球は「イメージ通り」と、逆らわずに流し打ち左翼線へ。内角への球は肘をたたんで引っ張った。41球で32スイングし安打性は柵越えを含め13本。上々のデビューと言える打撃内容だった。
キャンプ初日からのテーマはしっかりとトップをつくること。両手を後方に引き上げたとき、どうしても動いてしまい、その状態からスイングしてしまう。
2日には打撃ローテで同組だった松山のロングティーに目を凝らす場面があった。東出打撃コーチには連日打撃指導を受け、宿舎では自身のスイングを映像で確認。「意識して練習しています」。プロの投球を打ち返すために日々勉強中だ。
今クールではシート打撃が予定されており、投手は変化球を織り交ぜてくる。「積極的にスイングをしていく。結果を気にせず経験を積んでいきたい」と前を向いた18歳。成功と失敗を繰り返しながら、小園は大きな選手になっていく。