ドラ1小園、超美技で他球団驚かせた 高評価でも開幕1軍へ「死に物狂い」
「練習試合、阪神5-0広島」(21日、かりゆしホテルズボールパーク宜野座)
広島のドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=が21日、阪神との練習試合(宜野座)で超美技を披露した。六回の守備で三遊間への難しい打球を好捕し併殺を完成。持ち前の守備で輝きを放ったルーキーに、他球団のスコアラーも舌を巻いた。目標の開幕1軍へ向けて、また一歩前進した。
美しすぎる守備に、宜野座のスタンドから拍手が湧き起こった。0-5の六回1死満塁。四回の守備から遊撃で途中出場していた小園が北條の打球を好捕し、6-4-3の併殺を完成。一連のプレーに、ドラ1は納得の表情を浮かべた。
「絶対に捕ってやると。飛んできた時にゲッツーを取れると思いました。何が何でも死に物狂いで。貢献できて良かった」
平然と難しい打球をさばいた。三遊間へ飛んだ球を体の正面でハーフバウンドで捕球すると、両膝をついたまますぐさま二塁へ送球。「(カウント)2-0で打ってくると思った。しっかり準備して、いい反応ができました。飛んできた時に回り込んで正面で捕れるなと」。逆シングルか、正面で捕るかの判断や、捕球から送球への速さに非凡な素質をのぞかせた。
キャンプ前から「特に守備を見てほしい」とアピールポイントに挙げていた小園。初日こそ緊張でミスする場面もあったが、現在は随所に本来のプレーを示している。周囲からの高い評価にも慢心することなく、19日は特守で基本動作を見直し、磨きをかけている。
ライバル球団の007も驚きを隠せなかった。阪神・太田スコアラーは「素晴らしい。普通は抜けるか、はじいてエラーする。(ハンドリングが)柔らかいし、ダテにドラ1じゃない」と目を丸くすれば、中日・鈴木スコアラーも「捕ってからが速い。球際の強さが出た。なかなかゲッツーは取れない」とうなった。
課題も感じた一戦だった。打撃面では2打数無安打。六回は望月相手に左飛、八回は浜地に三ゴロに封じられた。いずれも初球から積極的にいった結果だったが、「まだまだ振り抜けていない」と反省を口にした。
2月1日から駆け抜けてきたキャンプも残り5日。開幕1軍の扉を開くためには、一日一日が勝負となる。一つ一つ光るプレーを積み重ね、評価を高めていく。