ドラ1小園、開幕1軍「絶対狙う」 緒方監督が帯同期間限定示唆も気持ちぶれず
広島のドラフト1位・小園海斗内野手(18)=報徳学園=が2月28日、本拠地で初めて練習を行った。チームはこの日からマツダスタジアムで全体練習を再開。芝生の感触を確かめながらノックを受け、打撃練習では黙々とバットを振った。オープン戦が本格化する3月も1軍に帯同する黄金ルーキー。本気で開幕1軍入りを目指してグラウンドに立つ決意だ。
練習最後の一打は、右翼線へ運ぶ鋭い打球だった。午前10時半から全体練習が開始。小園が居残り特打を終えたのは、午後3時を過ぎていた。マツダスタジアムで4時間半の練習。みっちりと汗を流し充実した表情でロッカーへ引き揚げた。
「この球場でいち早くやりたいと思っていたので(練習させてもらって)感謝しかない。これからも満足せずにやっていきたい」
午前中は田中広、上本らと遊撃に入り投内連係、シートノック、ノックと動き回った。過去に天然芝の内野でプレーした経験は昨年、侍ジャパンの一員として出場したU18アジア選手権(サンマリン宮崎)など数少ない。土のグラウンドとは違う打球の質に、最初は戸惑いを隠せなかった。
「試合での打球ではなかったけど、球が考えているよりも来たり来なかったりした」。だが、打球を受けるたびに安定して捕球する場面が増えた。適応力の高さに首脳陣はにっこり。山田内野守備走塁コーチは「あとはゲームの中でどうできるかだね」と目尻を下げた。
昨年の入団会見でも日本一の遊撃手を目指すと宣言した。雨が降れば打球速度は上がり、土との境目に当たれば想像もつかない跳ね方をするマツダスタジアムの内野。人工芝や土よりも難しいグラウンドが主戦場となるが、「守備を磨ける。ここでできて良かったと思う」とキッパリ。厳しい環境に身を置くことで成長曲線を伸ばしていく。
高卒新人ながらケガなく無事に1軍での春季キャンプを完走。さらに他選手と遜色ないプレーに1軍延長が決まった。緒方監督は2月26日のキャンプ最終日に小園の1軍について「ある程度の時期まで」と話していたが、それでも黄金新人は開幕1軍を目指す意気込みは失っていない。「そこは絶対に狙って。厳しいかもしれないけど、ぶれることなく前進していきたい」と力を込めた。
前日2月27日に大野寮から1軍の大州寮への引っ越しを終えた。「広いです」。成功と失敗を繰り返しながら急成長を続ける18歳は、強い気持ちで白球を追いかける。