鯉投、丸封じた!2打数無安打2K 平日に異例2万2572人“プレ開幕戦”制した
「オープン戦、広島4-1巨人」(5日、マツダスタジアム)
広島が今年初の本拠地での試合で、巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(29)を封じることに成功した。鯉党からも丸に声援が送られた中での注目の初対決。結果は2打数無安打2三振1四球で2年連続MVP打者を斬った。試合も4-1で勝ち、3月29日の巨人との開幕戦(マツダ)へ収穫を得た一戦となった。
シーズンが始まったかのような熱気に包まれていた。平日のオープン戦では極めて異例の2万2572人が詰めかけたマツダスタジアム。今年最初の本拠地での試合は巨人にFA移籍した丸との初対戦でもあった。注目を集めた一戦。チームはかつての仲間を抑え切り、先発マスクをかぶった会沢は率直な思いを口にした。
「不思議な感覚でしたけど、違うユニホームを着ているので、プロである以上結果を求めて。向こうは向こうで必死にやっていると思うので、こっちも必死に抑えにいこうと思っていた」
初打席は一回1死で回ってきた。鯉党から丸へのブーイングもほとんどなく、温かい拍手が湧き起こった。先発・床田は冷静に腕を振り148キロ直球で空振り三振。「甘かったけど、三振を取れたのは良かったと思う」とうなずいた。
三回は四球で歩かせたものの、五回1死一塁では再び丸封じに成功。2番手・飯田が坂倉とのバッテリーで相対し、フルカウントからカットボールで見逃し三振に仕留めた。内容には満足していなかったが、「次やる時に悪いイメージでいかなくて済む」と、左腕は安堵(あんど)の表情を見せた。
佐々岡投手コーチは「まだまだオープン戦の段階だから」と慎重な言葉を口にしたが、嫌なイメージを植え付ける意味でも無安打に抑えたのは大きい。昨季までカープの3連覇に貢献した2年連続MVP男は今季、間違いなく強敵となって立ちはだかる。高ヘッドコーチも「抑えないかんからね」と語った。
広島の試合前練習ではほほ笑ましい光景も見られた。ナインや首脳陣、スタッフが三塁ベンチから出てきた丸からあいさつを受けた。鈴木は肩をもみ、三遊間後方で練習を見つめていた緒方監督も駆け寄ってきた背番号8と談笑。特別な約15分の時が刻まれた。
“プレ開幕戦”で好結果を示した。6日も巨人戦が控えるが、本当の戦いは約3週間後の3月29日、ペナントレース開幕から始まる。「(この日を)材料にしていきたいし、オープン戦もまだあるので、その中で対策も練っていく。いろんな確認作業もあると思う」と会沢。真剣勝負を制するため、あらゆる角度から丸の徹底解剖を進めていく。