大瀬良、新井サンに“恩返し投” 引退セレモニー後に先発「下手な試合できない」
広島・大瀬良大地投手(27)が15日、昨季限りで現役引退した新井貴浩氏(42)=デイリースポーツ評論家=への恩返しを誓った。先発予定の16日・オリックスとのオープン戦(マツダ)では新井氏の引退セレモニーが実施され、同氏が始球式やあいさつに登場する予定。初の開幕投手が決定的な右腕が“新井さん”の花道を飾る。
大瀬良が感謝の思いを抱いて、真っさらなマウンドに立つ。16日は新井氏の引退セレモニーが実施され、始球式に登場する。そんなメモリアルデーの先発を任され、右腕の気持ちも自然と高ぶった。
「改めて偉大さが分かると思う。お世話になったのでいろんなことを思い出すと思う。そういったことを感じながら、マウンドに上がりたい。いい試合ができるようにゲームを作れたらいい。下手な試合はできない」
新井氏とは4年間、一緒にプレー。グラウンドだけでなく、食事の席でも野球談議を交わし、“新井イズム”を吸収してきた。昨季は最多勝と最高勝率のタイトル2冠を獲得。投手陣の大黒柱に成長を遂げる中で、新井氏の言葉が心に響いた。
「『チームを引っ張っていくだけの人間性を持っている。継続して結果を出すのはすごく難しいことだけど、チャレンジしてチームを引っ張ってくれ』と言われました。うれしかったです」
特別な一戦には縁がある。黒田氏の“引退試合”と銘打たれた2017年3月18日・日本ハムとのオープン戦は2番手で登板。「(特別に全員着用した黒田氏の)背番号15をつけてマウンドに上がれるのはあの日しかない」と意気に感じ、3回2/3を3安打無失点に抑えた。「登板するピッチャーにとってはプレッシャーしかない」と笑うが、今回も責任感と重圧を力に変えるつもりだ。
前回の今月9日・DeNA戦(福山)では5回10安打3失点。試合後は映像を見返し、体重移動やリリースポイントを修正した。自身初の開幕投手は決定的で、3月29日まで調整登板は残り2試合となる。「アプローチしてきたのでマウンドで表現できればいい。一人一人しっかり対戦できればいい」と力を込めた。
16日のチケットはすでに完売。試合後には新井氏のあいさつや花束贈呈も予定されている。「教えてもらった一人として(後輩へ)つなげていきたい。新井さんや黒田さんのような選手になれるようにやっていきたい」。“新井魂”を継承した大瀬良が、特別な一戦を鮮やかに彩る。