初スタメンの長野、移籍1号!3連敗最下位も希望の一撃「出たら頑張るだけ」
「中日7-4広島」(2日、ナゴヤドーム)
広島・長野久義外野手(34)が巨人からの移籍後初スタメンで初本塁打をマークした。「6番・左翼」で出場し、3-3の七回に大野雄から一時勝ち越しとなるソロ。四回には右前打を放っており、初マルチ安打も記録した。チームは3連敗で単独最下位となった。
強烈なインパクトを放つ一撃に、敵地に詰めかけた鯉党から割れんばかりの大歓声が湧き起こった。長野が巨人からの移籍後初アーチ。試合後は「まぐれです。まだまだ始まったばかりですから。みんなで明日ね」と話したが、初スタメンでいきなり一発をたたき込むスター性を存分に示した。
3-3の七回先頭だった。フルカウントからの6球目。大野雄の147キロ直球を振り抜くと、高々と舞い上がった打球は赤く染まる左翼スタンドへ。「イニングの先頭だったので、塁に出ることを心掛けていきました」。勝利に貢献するための一心で振り抜き、鮮やかなアーチをもたらした。
キラーぶりも発揮した形だ。試合前まで相手先発・大野雄には通算打率・343。3-2の四回1死一塁では二塁手・堂上の頭上を越える右前打を放っており、初マルチ安打も記録した。
移籍後初出場となった31日・巨人戦(マツダ)では七回の守備から出場し、初打席で初安打をマーク。オープン戦では出場機会も限られていた中、しっかり開幕に合わせてきた。緒方監督は「良かったね。打席で見た感じも悪くない。どんどん試合に出ていってほしい」と評価。迎打撃コーチも「内容と結果を示してくれた。開幕に入ればできるというところを見せてくれた」とうなずいた。
ユニホームが変われど、“らしさ”をグラウンド外でも示し続けている。2月の沖縄キャンプ中。自身が呼びかけ、バティスタらチームの外国人選手とステーキ店で食事会を開催。持ち前の英語力に、スペイン語も駆使し、交流を深めた。巨人時代もマシソンらから絶大な信頼を受けていた長野は赤ヘルでもすっかり人気者だ。
背番号5が好結果を示したことで、高ヘッドコーチは「(相手投手が)右でも使うかもしれない。どんどん状態のいい選手を使う」と話した。これを報道陣から伝え聞くと、「僕が出たら頑張るだけです」と表情を引き締めた長野。申し分ない実績を持つバットマンは、チームをリーグ4連覇へ導くために快音を奏で続ける。