広島「パニック」で2夜連続の悪夢 メンタル面の立て直しが急務
「広島2-6ヤクルト」(11日、マツダスタジアム)
明らかに、我を失っていた。
二回、先発の岡田がストライクが入らなくなり、4者連続四球。捕手の会沢や遊撃手の田中広が声をかけても効果なく、たたきつけるワンバウンドのボールや抜けた変化球が打者の頭部付近に向かうなど、明らかなボール球を連発した。1回0/3を2安打6四球6失点でKO。自滅でチームは4連敗となった。
デイリースポーツ評論家の関本四十四氏は「立ち上がりから調子が悪く、『まずい』と焦ってしまい、バランスが崩れた。間違いなく、メンタル面が影響している。いわゆるイップスのようなもの。上体と下半身の連動がバラバラになって、本人もパニックになって、どこを修正したらいいか分からなかったと思う」と振り返った。
前夜は十回に一挙12失点で惨敗。一夜明けても本拠地に重い空気が漂っていたが、岡田はその雰囲気を払しょくするどころか、一気に飲み込まれてしまった。
4連敗中の失点はトータル「40」。先発陣が4戦連続で5回持たず、厳しい戦いを強いられている。ただ、この日も松山の失策が失点に絡んだように、トータル18失策は断トツの両リーグワースト。野手陣も焦りからミスを連発し、本来のプレーを見失っている。バットも湿り、頼みの主砲・鈴木も17打席ノーヒットと、力みからミスショットを繰り返している。
関本氏は「口に出したくはないだろうが、丸や新井が抜けたことで弱くなったと言われたくないと思っていたはず。ただ、負けが続いて『あれ、おかしいな』と思っているうちにズルズルとあり地獄にはまってしまった。こういう時はエースの大瀬良が完封したり、鈴木がドカンと一発を放ったり、何か勢いのつくきっかけがほしいところだが、『俺がやらないと』、『何とかしないと』などと必要以上に思うと裏目に出る。全員が地に足をつけてプレーしていくしかない」と語った。
12試合で3勝9敗となったのは10年以来、9年ぶり。ただ、巻き返す時間は十分に残されている。