球団史上初の5カード連続負け越し「強くなる試練だ」-新井氏提言
「DeNA4-2広島」(14日、横浜スタジアム)
デイリースポーツ評論家・新井貴浩氏(42)が14日、開幕から5カード連続負け越しとなったカープへ、提言とエールを送った。現役時代は苦しい時代もリーグ3連覇した黄金時代も経験。酸いも甘いも知る新井氏が独自の視点で後輩たちへ、メンタル面の重要性を説いた。
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今日の試合を見て、今のカープの状態どうこうより、チームの軸である4番筒香を欠いた中で、僅差で勝ちにつなげたDeNAの強さを感じた。DeNAは強力打線ばかりに目が行きがちだが、先発も、リリーフ陣も力がある。井納、エスコバー、パットン、三嶋、守護神・山崎も球が強い。チーム全体として、確実に力を付けている印象を受けた。
カープはシーズン開幕から、5カード連続で負け越しとなった。このような滑り出しになるとは、周囲も予想していなかった。ましてプレーしている選手も思っていなかったはずだ。昨年までリーグ3連覇できたのは紛れもなく彼らの力だし、自信として持っていると思う。その中で現実に起こっていることを正面から受け止めないといけない。
そうした中で各自が「何とかしないといけない、何とかしないといけない」と思いすぎているように見えた。みんな、責任感が強い選手ばかり。思うように勝てず、焦る気持ちはよく分かる。今の自分自身の状態以上のものを出そうと思わず、今の状態の範囲内で、「できることをやる、やっていく」と考えた方がいいだろう。そうメンタルを持っていかないと、立ち直るのが遅くなってしまう。
試合前の彼らの明るい表情を見ると、昨年との違いは感じなかった。ただ、若いチームだし、3連覇した強いカープを知っている選手が多い。今のような経験は初めてだろう。だから余計にこんなはずじゃないと思っているはずだ。今起こっていることは、彼らがこれから大きく、強くなるために必要な試練だと思う。そう考えて、乗り越えてほしい。