誠也の一発が希望…球団史上初開幕から5カード連続負け越しの歴史的屈辱から逆襲へ
「DeNA4-2広島」(14日、横浜スタジアム)
広島がDeNAに競り負けた。この日でセ・リーグ5球団との対戦が1巡し、球団史上初めてとなる開幕から5カード連続での負け越しだ。二回に鈴木誠也外野手(24)の6号ソロで先制したものの、四回に九里亜連投手(27)が捕まり逆転を許した。終盤の得点機でもあと1本が出なかった。借金は「7」。リーグ4連覇を目指す緒方鯉は泥沼から抜け出せない。
青く染まった右翼席からわき起こった歓喜の声を、緒方監督は背中で受け止めながらベンチを後にした。終盤に得点機をつくったものの、昨季までの“逆転の広島”を見せられず競り負けた。悪い流れが止まらない。開幕から5カード連続での負け越しは、球団史で初めてだ。
「結果として連勝できなかった。これが今の、チームの現状」。バスへと続く長い通路。指揮官はバッグを肩に掛けながら、厳しい表情で歩を進めた。
前日13日に3打点をマークした鈴木が、勢いそのままに0-0の二回に左越えソロを放った。4番の一撃。チームのムードをさらに高めたかに思われた。だが、三回まで無安打に抑えていた九里が四回に捕まり3失点で逆転を許すと、攻撃陣もあと1本が出ない。
七回1死二、三塁で会沢が空振り三振。安部の打席で嶺井が捕逸し2-3と1点差に迫った場面でも背番号「6」は空振り三振に倒れた。「三振が一番ダメ。反省しないと」と会沢。2安打した鈴木は「打っても負けたら意味がない」と悔しさをにじませた。
3月29日、巨人との開幕戦で白星をゲット。順調に船出したと思われたシーズン年は、すぐさま荒波にぶち当たった。前日13日に連敗が「5」で止まったが、12日までの5連敗中は計46失点。得点はわずか6に終わった。
借金は「7」。まだ4月中旬とは言え、負の連鎖を立ち切らなければならない。選手会長でもある会沢は「まずは、自分のことをしっかりすることが大事だと思う」と力を込めていた。一人はみんなのために。みんなは一つの目的のために-。自分のベストの力を発揮することが、結果的にチームの勝利につながるという思いを込めての言葉だった。
16日は鹿児島で、17日は熊本で開幕カードを戦った巨人と戦う。緒方監督は「1戦1戦を戦っていくだけ。立て直していくだけ」と、シンプルな言葉で報道陣からの取材を締めくくった。下を向いてはいられない。目指すと決めた、リーグ4連覇と日本一を勝ち取るために。