誠也2戦連発!セ単独トップ7号も鯉打線深刻 23イニング連続適時打なし
「巨人8-2広島」(16日、平和リース球場)
広島・鈴木誠也外野手(24)がリーグ単独トップの7号ソロを放ったが…チームは2連敗。開幕から6カード連続勝ち越しなしとなった。昨季まで猛威を振るった赤ヘル打線は深刻なタイムリー欠乏症に陥り、23イニング連続で適時打が出ていない。借金は8まで膨らみ、首位ヤクルトとは7ゲーム差に広がった。
雄大な桜島を望める鹿児島に場所を移しても、赤ヘル打線に火は噴かなかった。4点を追う四回先頭、鈴木が右中間席へ2試合連続7号ソロ。「しっかり捉えることができました。まずは1点返せて良かったです」。広島選手の鹿児島での一発は72年山本浩、00年ロペス以来3人目だ。試合中に広報を通じて発したコメントには、反撃への強い決意が込められていたが…。4番が打っても勝てず、またしても空砲となった。
昨季までリーグ屈指を誇った赤ヘル打線がタイムリー欠乏症に陥っている。4点を追う三回は山口から3四球を選び1死満塁の好機を作ったが、2番菊池涼は三ゴロで本塁アウト。3番野間も投ゴロに倒れ、無得点に終わった。鈴木の一発が飛び出した四回も代打・西川の犠飛で2点差に迫りながら、なお2死一、二塁で1番田中広は二ゴロ。緒方監督は「誠也にも一発が出たし、打線には粘りがあった。横浜から集中力がある」と評したが、5連敗を止めた13日・DeNA戦(横浜)の四回に鈴木が走者一掃二塁打を放って以来、23イニング連続で、適時打が出ていない。
チーム打率・207はリーグワースト。それ以上に、好機であと一本が出ない。東出打撃コーチは「点が入っていないから、打ってやろう、打ってやろうと力が入っている。最低限を積み重ねていかないと。自分のやること以上のことをしようとしているからもったいない」と指摘した。
日替わりオーダーは山口対策として、6番にバティスタを起用したが、3打数無安打、松山を一塁守備の不安から左翼の起用を続けていることで、長野の出番も限られている。この日は6点を追う八回2死走者なしの場面で登場したが、初球を打って右飛に倒れた。球場のムードを変えられる千両役者だが、それを生かしきれない現状がもどかしい。
チームは巨人2連戦の初戦を落とし、開幕から6カード連続勝ち越しなし。ここ最近は安定していた守備もこの夜はほころび、ミスが相次いだ。奮闘を続ける4番の一発を白星に結びつけたい。