最年長・石原 39歳のド執念 逆転G倒で開幕からの連続カード負け越し止めた
「巨人4-5広島」(17日、リブワーク藤崎台球場)
チーム最年長が決めた。土壇場で2点差を追いついた九回2死二塁。広島・石原慶幸捕手(39)が決勝の中前適時打を放った。開幕からの連続カード負け越しを5で止める値千金の今季初安打。借金7とまだまだ厳しい状況は続くが、この白星を境に攻勢に転じる。
熊本城がそびえる地で、最後はベテランの石原が決めた。2点差を追いついた九回2死二塁。クックの直球を執念で振り抜いた打球が中前で弾む。一塁に到達すると、興奮を抑えながら拳を握った。
「ガッツボーズ?何も考えず自然と出ました。みんながつないでつないで、チャンスを作ってくれた。その前にキクも同点タイムリーを打ってくれたし、何とかヒットを打てるように頑張りました」
緒方監督は「よく打ってくれた。打線は集中力ができているから今日は爆発してくれた。これをきっかけにやってくれたらいい」とここからの反撃に期待した。
守備でもさすがの存在感だ。1点リードの九回は、失策と四球で1死一、二塁の窮地に立たされた。ここでも冷静に守護神・中崎をリードし、陽岱鋼を二ゴロ併殺打に。「ザキも良いところに投げてくれたのでね」。勝利の瞬間、ようやく緊張から解き放たれ、満面の笑みでハイタッチに加わった。
チームにとって価値のある1勝となった。開幕から5カード連続の負け越し。苦戦続きだったが、チーム最年長はどっしりと構えていた。「こういう時こそ、チーム一丸となってやらないといけない。それができていたチームだから」。プロ18年目。苦しい時代も、リーグ3連覇も経験してきたからこそ、一致団結の重要性を知っている。
昨年まではベンチにいた新井の姿はない。これまで公私で行動を共にしてきた。開幕直後、石原は「個人的にはさみしさはあるけど、みんな結果と成績で成長した姿を見せられたらいい」とナインの思いを代弁した。チームはなかなか波に乗れていないが、元気な姿を見せることで安心させたい。
2006年以来13年ぶりの熊本で、4連敗中だった巨人相手に初勝利。「これがカープの戦い方。みんなで戦っていくのがカープの野球」と力を込めた。チームに訪れた試練を乗り越えて、上昇気流に乗っていく。