バティ1号4打点お目覚め 鯉のぼり4連勝!今季初の同一カード3連倒
「広島7-4DeNA」(21日、マツダスタジアム)
広島が今季初の同一カード3連勝。連勝も「4」に伸ばし、最下位を脱出した。DeNAは先発に中継ぎの国吉を起用する奇策「オープナー」を仕掛けてきたが、初回に4得点して流れをつくった。サビエル・バティスタ外野手(27)は今季1号ソロを放つなど3安打4打点と大暴れ。出遅れたドミニカンの巻き返しが始まった。
大歓声を浴びながらウイニングボールをつかんだのはバティスタだった。チームが長いトンネルを抜けたと同時にドミニカンも浮上のきっかけをつかんだ。今季1号ソロを含む3安打4打点。勝利のタッチでも笑顔が絶えなかった。
「4連勝できて良かった。チームの雰囲気も良かったよ」
DeNAは国吉を先発させる「オープナー」で臨んだ。メジャーで流行中の起用法で、中継ぎが序盤1、2回の短いイニングを投げ、その後に本来の先発がロングリリーフをするというものだ。
だが、そんな奇襲もものともしない。初回、先頭・田中広が初球を捉えて中前打を放つと野間の右中間二塁打で好機を広げ、鈴木の左前適時打で先制。さらに1死満塁からバティスタが右前適時打を放つなど一挙4点を奪って、ラミレス監督のもくろみをあっさりと粉砕した。砂田に代わった二回もバティスタの中前2点適時打で追加点を挙げた。
当たりが戻った助っ人は、七回にエスコバーから左中間席へ1号ソロを放ち、だめ押し点を挙げた。「いろんな投手に代わったけど相手の攻め方やデータを頭に入れて打席に入った」。今年からDeNAの情報収集は昨季限りで現役を引退した土生スコアラーが担当しており、的確な情報に感謝した。
今季を前に40発を誓っていた男は開幕から打撃状態はどん底だった。前日20日まで打率・143、3打点。本塁打もなかった。「タイミングの取り方を少し早くしたんだ」。試行錯誤しながら復調の兆しを見つけた。
どうしても本塁打を見せたかった人がいる。通訳を務めるクレートさんだ。9月に第3子が誕生するため、今月28日にドミニカ共和国へ一時帰国する。「彼の前で打つことができて良かったよ。家族じゃないけど、すごく良いコンビなんだ」。今季初めて上がったお立ち台でも2人は軽妙なトークでファンを喜ばせた。さみしさはあるものの、再来日を楽しみにしている。
チームは10安打7得点で4連勝し最下位を脱出した。緒方監督は「一つ一つ」と前を向いた。バティスタは「これからもっと勝っていきたい。自分の仕事はホームランや打点を稼ぐこと。頑張りたい」と力を込めた。本来の力を取り戻した広島の逆襲が始まった。