大瀬良 しびれる完封でカープ7連勝 平成最後のマツダ エースが最高の白星締め
「広島2-0中日」(25日、マツダスタジアム)
平成最後のマツダでの一戦を、エースが最高の形で締めくくった。広島・大瀬良大地投手(27)が、プロ1年目の2014年9月6日・DeNA戦以来2度目の完封勝利で2勝目。今季初めての中5日登板で、竜打線を7安打に抑えて9つの「0」を並べた。チームは破竹の7連勝。27日からの12連戦を前に、これ以上ない形で試合を締めた。
特大の大瀬良コールがこだまする中、マウンドに上がった九回。2死一塁で阿部を中飛に打ち取ると、大瀬良は力強く右拳を握り、会沢と抱き合った。お立ち台では「大瀬良コール、しびれました!」と声を張る。平成最後のマツダでの一戦を7安打完封で彩った。
「先に降りたくなかった。これまでもこういう展開で投げていたけど、中盤に一発を打たれたり、先に点をやってしまうことが多かった。今日は0にという思いでいった」
ロメロとの熱い投手戦。今季初の中5日での登板も苦にせず、力強い直球を中心に要所を締めた。最大のピンチは八回。2死二塁で平田に左前打を許したが、西川の好返球で二走・高橋を本塁タッチアウト。右拳を突き上げ、感情をあらわにした。今季なかったガッツポーズ。「2回、恥ずかしいですね。自然と出ました」。それだけ力がこもっていた。
自身平成最後の登板。平成3年生まれの右腕は物心つけば、折りたたみ式の携帯電話やゲームボーイカラーとともに時代を過ごしてきた。そして少年時代の理想像は元ソフトバンク・斉藤和巳。「負けないエースで、勝率が高かった。勝てなくても0でつないでいけるような投球を数多くしていた。素晴らしい球を投げていたし、ガッツポーズもかっこよくて大好きだった」。鯉のエースはそれを体現するかのような形で、締めくくった。
たゆまぬ向上心を常に持つ姿は変わらない。フォームなどもオフから微修正を加えつつ、今季は相棒にも微妙な変化を加えた。投球や守備で左手の閉じやすさを変えるために、グラブの土手部分の縫い目を横とじから縦とじへ変更。「変な力みが入らなくなった。いい方向にいっていると思います」。細部までこだわり、進化への足取りを進めている。
チームは7連勝で、借金を1まで減らした。緒方監督は「粘り強く最後まで投げきってくれたので、大地に尽きるでしょう。今季柱として引っ張っていく十分な投球内容を今日もしてくれた」と最大級の賛辞を贈った。「完封勝利の数をこれから増やしていけるようにやっていきたい」と大瀬良。真のエース道を歩む背番号14の、魂の123球だった。