鈴木誠也が復帰いきなり猛打賞 広島4番が完全復活「まだ4月」
「ヤクルト4-2広島」(28日、神宮球場)
広島・鈴木誠也外野手(24)がコンディション不良から完全復活だ。「4番・右翼」で5試合ぶりに先発復帰。いきなり3安打猛打賞、1四球で全打席出塁した。しかし勝利にはつながらず、チームの連勝は8でストップ。再び借金生活へ逆戻りしたが、主砲の本格復帰は今後へ向けて明るい材料だ。
神宮球場のスタンドから、敵軍の凱歌が響き渡った。貯金ロードへ歩を進めたい一戦だったが、連勝は8で止まり再び借金生活。試合後、緒方監督は「一戦一戦しっかり戦うだけなのでね」と前を見据えた。
相手先発・高梨を打ちあぐねた。先制機は二回。この日コンディション不良から5試合ぶりに先発復帰した鈴木が、先頭で左翼フェンス直撃の二塁打。直後には高梨の暴投で三進し、無死三塁とした。それでも後続が断たれ、得点には至らず。「あそこで1点取れれば展開は変わっていた」と迎打撃コーチ。五回も無死一、二塁の好機を作ったが、あと1本が出ず。キレのある直球とフォークを中心に封じられ、劣勢を強いられた。
決め手を欠いた敗戦の中、12連戦の2戦目で不動の4番が本格復帰したことは、明日への光だ。二回の二塁打に加え、四回2死からは中前打を放ち、直後に二盗も記録。六回2死でも右前へポトリと落ちる安打で3打数3安打1四球だ。
「僕は打つのが仕事。いつでも、毎日打てるように頑張っていきたい」
試合後は表情を引き締め、そう言葉をつないだ。23日・中日戦(マツダ)から欠場し、代打で実戦復帰したのは前夜。それでもこの日は即フル出場かつ猛打賞を記録するなど、バットで、足で躍動した姿が頼もしい。
首脳陣も主砲の本格復帰にはひと安心だ。指揮官は「状態は問題なさそうだし、明日からまた頑張ってくれれば」と今後へ向けても期待を込める。迎コーチも「試合勘で影響がなかったのが安心」とうなずいた。
大型連勝こそ途切れたが、まだまだ長期連戦は続いていく。そんな中で鈴木は力を込めて決意を示した。「今までずっと勝っていたし、こういう試合もあると思う。まだ4月。切り替えて、また明日勝てればいいなと思います」。強い自覚と責任感を胸に、グラウンドで輝きを放ち続ける。