緒方鯉、8連勝の勢いどこへ…ああ連敗 投壊10四球、守乱…平成で借金返せず
「ヤクルト7-4広島」(29日、神宮球場)
広島が連敗を喫し、2015年以来4年ぶりの3、4月負け越しが決まった。8連勝がストップした前夜と同様に先発が試合を作れず、守備も乱れた。30日は甲子園で阪神戦。令和は黒星先行で迎えることになったが、平成最後の一戦を飾り巻き返しへの足がかりとする。
鮮やかな8連勝の後に、再び投壊と守乱が顔を出した。12連戦最初のカードは負け越しスタートだ。3、4月の4年ぶりの負け越しも決定した。試合後、真っ赤な声援を受けた緒方監督は「結果勝つことはできなかったけど、最後まで追い込むことはできた。反省するところは反省してまた明日やるだけです」と淡々と話した。
先発・九里の気迫は空回りした。14日・DeNA戦(横浜)以来の登板で試合序盤からアドレナリン全開。ピンチに吠え、抑えればガッツポーズを繰り出した。だがそんな気合と裏腹に6四球を献上。五回も先頭からの連続四球で1死一、二塁のピンチを残して降板すると、2番手・レグナルトが代打・荒木に左前へ決勝打を許した。
「四球がやっぱり多かったので、そこをなくしていかないといけない。ゾーンの中で勝負していかないといけなかったと思います」
連勝中は大瀬良、床田、野村らが7回以上を投げ、ゲームメーク。しかし前日28日に4回6安打3失点KOされたジョンソンに続いて、この夜の九里も4回1/3を3安打4失点で黒星。中継ぎ陣も踏ん張れず、1試合で10四球を与えた。佐々岡投手コーチの足取りも重い。「こういう球場で一発がある打線だけど、ゾーンの中で勝負しないといけない。先発が試合を作らないとこうなってしまう」と九里の先発はく奪も視野に入れた。
守備も乱れた。1点ビハインドの六回。3番手・菊池保が2死一、二塁のピンチを背負うと、今季初スタメンの左翼・下水流がバレンティンの正面ライナーをまさかの後逸…。痛恨の2点を献上した。無回転の難しい打球にも見えたが「迷惑をかけました。捕らないといけなかった。チームに申し訳ないです」と下水流は唇をかんだ。
30日は甲子園に場所を移して、4位で並ぶ阪神と平成最後の一戦を戦う。鈴木がコンディション不良からスタメン復帰し、脳振とうで抹消されている松山の1軍復帰も近い。今季は先発と守備が鍵を握っている。カープらしさを取り戻し、新元号・令和を迎えたい。