鯉、令和黒星スタート 野村四球から崩れ、広輔は連日の失策…投打かみ合わず4連敗
「阪神6-2広島」(1日、甲子園球場)
広島は投打にわたって歯車がかみ合わず、令和最初の試合を黒星で終えた。先発した野村祐輔投手(29)は四球から崩れて失点。守備では遊撃手・田中広輔内野手(29)の失策が相手に流れを渡す形になった。攻撃では1番に起用した野間を起点に三回に2得点するも、その後は0行進だった。チームは8連勝後に4連敗。借金も4となったが、2日先発の大瀬良大地投手(27)が止める。
色鮮やかなジェット風船が、甲子園の空に舞う。令和最初の試合に勝利した猛虎が歓喜の瞬間に酔いしれる中、広島ナインは足早にベンチ裏の階段を下りた。一度、手放した流れを最後まで引き戻せず喫した敗戦。緒方監督は短い言葉で試合を総括し前を向いた。
「ミスは出ることもある。反省するところは反省して、またしっかりやっていくだけ」
不調の田中広を8番に下げ、1番には野間を起用する布陣で臨んだ。0-0の三回は1死から野間の左前打を起点に、2者連続適時打で2点を奪った。しかし試合の主導権をつかんだかに思われた直後に暗転した。
四回1死まで無安打投球だった野村が3者連続四球で満塁とし、内野ゴロの間に失点。さらに五回も当たりがない先頭・マルテに四球を与え出塁を許した。「自分が出さなければああいう形にはなっていない」と右腕。負の連鎖が続き、木浪の遊ゴロを二塁後方で田中広がファンブル。併殺にできず無死一、二塁とピンチを広げた。
結局この回4点を奪われ、逆転された。指揮官は「イレギュラーしたんじゃないかな」とかばったが、この日2失策の田中広は「守備で足を引っ張ってしまった。祐輔が良い投球をしていたのに、僕が試合を壊してしまった。申し訳ない」と敗戦の責任を一身に背負った。
悪循環に陥りかけている。8連勝中は先発が7回以上を投げゲームメーク。粘り強い投球に打線が応えた。だが4連敗は、いずれも6回を投げ切れていない。中継ぎ陣も踏ん張れず、投手陣の4試合合計四球数は29個を数える。野手の失策も失点に直結しており、高ヘッドコーチは「開幕直後のような姿に戻っている。無駄な四球やエラーが出ている。地に足を着けて落ち着いてやっていきたい」と厳しい表情だ。
3、4月を4年ぶりに負け越して5月戦線に入った。リーグ3連覇を達成した昨季までにはなかった現実。投手を中心とした守り勝つ野球がチームの根幹だ。ゴールデンウイーク12連戦の6戦目となる2日はエース大瀬良が先発。再び荒波を乗り越えるためにも黒星を喫する訳にはいかない。