山口、堂々デビュー!打線沈黙零敗も高卒2年目若鯉が2回0封でキラリ
「中日6-0広島」(7日、ナゴヤドーム)
広島・山口翔投手(20)がプロ初登板を果たした。中継ぎとして五回から登板し、この日4安打を記録した平田を唯一封じるなど2回3安打無失点。チームは今季3度目の完封負けで連勝は引き分けを挟んで4でストップしたが、高卒2年目右腕が今後へつながるデビューを飾った。
最後は持ち味を発揮し、ズバリと決めた。六回2死一、三塁。阿部をカウント1-2で、この日最速の149キロ外角直球で見逃し三振。山口がプロ初登板を2回3安打無失点で飾り「ホッとしました。やっと一歩踏み出しました」と安どした。
出番は0-5の五回。1死から単打と死球で一、二塁を迎えたが後続を斬った。六回先頭の相手は、ここまで3打数3安打の平田。それでも2軍で菊地原投手コーチから授かった「相手を過大評価しないで、自分の投げる球を考えてやれば抑えられるから」との言葉を胸に右腕を振り、直球で二ゴロに抑えた。
1軍レベルも痛感した。六回2死一塁でビシエドに中前打を浴び、ピンチへ発展。「少し浮いたら簡単に持っていかれる。いい経験」と振り返った。「体もフワフワしていた」という緊張の初登板は何もかもが糧となる。
高卒2年目。最速151キロの直球を武器に昨秋キャンプでアピールし、春季キャンプも1軍スタートした。だが沖縄キャンプ中にインフルエンザに感染し、2軍降格。「悔しさがあった。もう一度1軍に戻って頑張ろうと思った」と先発で奮闘し続け、同期の遠藤とともに一番で2軍から推薦を受けていた。
5日に矢崎が出場選手登録抹消されており、中継ぎを厚くするため6日に初昇格。緒方監督には「堂々としておけ。今まで通りやってくれ」と激励を受けた。前日にはブルペンでの過ごし方を菊池保や藤井皓に教わり「中継ぎの大変さがわかりました」と、2日間ながら収穫の日々だ。
チームは敗戦となったが、光を示した若鯉。指揮官も「かなり緊張したと思う。それでも魅力のある球もみられたし、しっかり腕を振っていた。チャンスがあれば投げさせたい」と目を細めた。先月20歳を迎えた右腕が、ここからサクセスロードを歩んでいく。