床田 憧れのDeNA・今永に勝つ 大学2年時に投げ合い…プロを目指すきっかけに
広島の床田寛樹投手(24)が9日、マツダスタジアムで行われた投手指名練習に参加。先発予定となっている10日のDeNA戦(マツダ)で、今永との投げ合いに闘志を燃やした。大学2年時に出場した明治神宮大会で駒大と対戦し、2歳上の左腕の姿がプロを目指すきっかけになったという。1年目の2017年4月19日以来、プロ2度目の対戦でハーラートップタイの5勝目を目指す。
特別な存在に燃えるものがあった。床田は、静かな口調でもDeNA・今永への思いを込めた。先発予定の10日は新人時代以来、プロ2度目となる投げ合い。防御率トップで脅威の0・98を誇る相手エースから白星をもぎ取る構えだ。
「左で今、一番良い投手。僕が0点、1点に抑えたら良い試合ができる。勝つことができれば、もっと自信が出てくると思う。何とか食らいついていきたいし、チームが勝てるように試合を作りたいです」
初めて今永と投げ合ったのは、中部学院大2年時に出場した明治神宮大会。床田にとって本気でプロを目指すターニングポイントになった試合だ。プロ初対戦は2017年4月19日。左肘の違和感を訴えて4回2失点で降板し、トミー・ジョン手術を受けるきっかけとなった一戦だった。自身の野球人生において、背番号「21」は不思議な縁を感じる存在だ。
開幕から大瀬良に勝るとも劣らない投球でチームをけん引する。4勝はリーグ3位タイ、防御率1・55は今永に次ぐ成績だ。打者に狙い球を絞らせない投球術に加え、制球に安定感がある。走者を背負っても粘り強さが光っている。
「開幕の巨人戦くらいしか真っすぐはスピードが出ていない。でも、たとえダメな球種があってもカウントが取れるツーシームやスライダーがある」
さらに4月27日のヤクルト戦で小川に投げ勝ったことも「自信になった」という。技術面とメンタル面でさまざまな収穫と課題を得ながら、着実にたくましさを増してきた。
チームにとっても10日は大事な一戦になる。ゴールデンウイーク12連戦を6勝5敗1分けで終え借金を完済した。8連勝中のマツダスタジアムで開幕戦に勝って以来、待望の貯金へ4度目の挑戦となる。カード初戦を白星で飾り、一つの壁を乗り越えれば上昇気流へ乗っていける。
DeNAとは早くも今季3度目の対戦。「しっかりと腕を振って内角、外角へ投げ分けていきたい」と力を込めた左腕。巻き返しを狙う5月戦線。鯉の季節に床田が躍動する。