カープ4番が最高です 鈴木サヨナラ弾含む2発4安打5打点大暴れ、打撃3冠ペース
「広島9-7ヤクルト」(15日、マツダスタジアム)
劇的な幕切れだった。3-7の九回に鯉打線が驚異の粘りで同点に追いつくと延長十回、広島の鈴木誠也外野手(24)が中越えへサヨナラ本塁打を放ち、熱戦に終止符を打った。鈴木は八回にも12号ソロを放っており、この日2発。4安打5打点の大活躍で打率、本塁打、打点の3部門でリーグトップに立った。今季4度目のサヨナラ勝利でチームは4連勝。順位も2位タイへ浮上した。
大熱戦に劇的な結末が待っていた。7-7の延長十回1死一塁。4番鈴木がフルカウントからの6球目を振り抜いた。打球は真っ赤な声援に乗ってバックスクリーン左へ。この夜2本目のアーチは今季初のサヨナラ弾だ。
「サイコーです!」
試合後のお立ち台。お決まりのフレーズを3度絶叫。緒方監督も「今日はすごいの一言だね。さすがカープの4番。試合を最後こうやって決めてくれて。選手全員が頑張ってくれた」と興奮冷めやらぬ様子で話した。
劣勢の展開でも4番は集中力を研ぎ澄ましていた。まず5点を追う八回だ。先頭で打席に立つと、セットアッパー・五十嵐から12号バックスクリーン弾。「自分のスイングでしっかり捉えることができました」と振り返った一発が序章だった。
それまで好調の打線は予期せぬ展開に苦戦していた。ヤクルト先発・スアレスがアクシデントにより緊急降板。二回から2番手・大下がマウンドに上がった。思いも寄らぬ継投に乗じて1点を返したが、3番手・マクガフの前に沈黙。三回からの2イニングを完璧に抑えられていた。
そんな展開に風穴を開けたのも4番のバットだった。2点を追う五回だ。2死からバティスタが左前打を放つと続く鈴木が左翼線へ痛烈な適時二塁打。さすがの勝負強さを発揮し「バティがよく走ってくれました」と助っ人の激走に感謝した。
鈴木は4点ビハインドの九回も1死一、二塁の好機で7番手・梅野から中前適時打。今季5度目の猛打賞を記録すると赤ヘル打線が完全に息を吹き返した。西川が右前打で続くと、途中出場の磯村が左前へ2点打。さらに2死満塁から代打・小窪が押し出し四球を選び、ついに同点に追いついた。
「こうやって勝ちが続くのはうれしい。これからも負けないように一戦一戦頑張っていきます」
ヒーローインタビューで鈴木はチーム一丸を強調した。今季4度目のサヨナラ勝ちでチームは4連勝。4カード連続勝ち越しも決め2位タイに浮上した。頼もしい4番に導かれ、4連覇への道のりがくっきり見え始めた。