4番誠也 8戦ぶり16号3ラン 昨年の日本S再戦「いいきっかけになればいい」
「交流戦、広島3-6ソフトバンク」(7日、マツダスタジアム)
昨秋の日本シリーズの再戦で、広島の若き4番・鈴木が意地を見せた。4点を追う八回2死一、二塁。2番手・モイネロの速球を強振。打球は弾丸ライナーとなって、瞬く間に左翼席へ消えた。5月29日・ヤクルト戦(神宮)以来、8試合ぶりの16号3ランで1点差に詰め寄った。
「チャンスで回ってきたので、変わりなくしっかりスイングしようと思っていた。いいピッチャーから打てたので、いいきっかけになればいいと思います」
直前の残像を消して踏み込んだ。六回の3打席目では、千賀の154キロ直球が頭部付近を通過した。恐怖心が残るような球だったが「あれだけ腕を振っていたら、疲れた頃にああいうボールがくると思う。わざとじゃないし、気にしていなかった」とどこまでも冷静だった。
初回の打席は手袋を付けず、素手でバットを握った。「そこはもう…」と真相を明かさなかったが、普段から素手感覚に近い手袋を好むだけに、何かしらの意図はあった模様だ。
ただ、赤ヘル打線は千賀の前に沈黙。鈴木も2三振を喫するなど3打数無安打だった。「ミーティング通り、真っすぐが良かった。甘い球を一発で仕留められなかったことが敗因」と受け止めた。これで交流戦は1勝3敗。スタートダッシュに失敗したが、4番のバットから巻き返す。