3番・龍馬V撃!首位陥落危機救っタンだ 緒方監督ズバリ!打線組み替え的中
「交流戦、楽天2-4広島」(16日、楽天生命パーク宮城)
打線組み替えが的中し、連敗を3で止めた。開幕2戦目以来の3番に座った広島・西川龍馬内野手(24)は、2-2の七回に岸から左前へ決勝打。7番に打順が下がったサビエル・バティスタ外野手(27)も3安打2打点と機能した。札幌-仙台遠征は1勝3敗1分け。交流戦は単独最下位と苦しむが、首位の座をキープして本拠地に戻る。
仙台に来て牛タンを「2、3回食べた」という西川が悪球をペロリと平らげた。2-2の同点で迎えた七回2死二塁。見逃せば「余裕でボール」と振り返る外角に沈むチェンジアップに反応し、泥くさく左前へ運んだ。巧みなバットコントロールを見せつけ、マウンドの岸をあ然とさせた。
水色のリストバンドを着用した「父の日」に最高のプレゼントを贈った。ヒーローインタビューでは感謝のメッセージを求められ、大阪人らしく、旺盛なサービス精神を発揮。「大阪のオトン!今日、オレやったよ!」と叫んだ。5月18日の阪神戦(甲子園)では左翼席に陣取っていた父・善博さんの前で3ラン。実家近くの立ち飲み居酒屋で「初めて生で本塁打を見ました」と常連客と喜んでいたという父は、またえびす顔に違いない。
首脳陣もニンマリの連敗ストップだ。5月1日から「3番・バティスタ、5番・西川」でほぼ固定していたが、不振が続くバティスタを7番に下げ、西川を3番に変更。指名打者で出場した会沢を今季初めて5番に抜てきした。
「バティのケツをたたいた」という東出打撃コーチの狙いは見事に的中した。1点を追う二回は1死から5番・会沢の中前打をきっかけに一、二塁となり、7番・バティスタが左翼線へ同点二塁打。1-2の六回も、会沢の左翼フェンス直撃の二塁打で作った好機から、再び試合を振り出しに戻すバティスタの左越え適時二塁打が生まれた。
3打数3安打2打点のドミニカンは7番について「関係ない。一番大事なのは試合に出ることだよ」と言い、「コンパクトなスイングを意識した。今日のような打撃を続けていきたいね」と手応えをつかんだようだ。
「投手も野手もしっかり役割を果たしてくれた。ただ反省するところもいくつかある。しっかり反省してマツダに戻って、次からの試合に臨みたい」
緒方監督は手綱を締めながらも、ホッと胸をなで下ろした。札幌-仙台遠征は苦戦続きで交流戦最下位に沈んだが、何とかリーグ首位の座は死守した。18日から本拠地マツダスタジアムで6連戦。真っ赤な大声援を受けて、再び白星街道を突っ走る。