セ王者広島5年ぶり交流戦最下位 延長十回9失点負け、緒方監督「勝って終わりたい」
「交流戦、広島3-9オリックス」(23日、マツダスタジアム)
広島が延長戦で敗れ、今季5度目の3連敗。1試合を残して、14年以来4度目となる交流戦の最下位が決まった。0-9の延長十回に粘りを見せ3得点したものの、それまで3度の得点機にあと1本が出なかった。得点力不足が深刻だった今季の交流戦。最終戦となる24日の楽天戦(仙台)で上昇のきっかけをつかみたい。
オリックスナインが本塁を駆け抜ける度に、スタンドのカープファンから大きなため息が漏れた。0-0の延長十回、広島は2リーグ分立後では日本記録となる1イニング4本の三塁打を含む7安打を集められ、一挙9点を失った。
「最後にあの点差になってしまった。ファンに最後まで応援してもらっている中で、意地を見せて反撃したんだけど。3連戦で良い采配ができなかった」
緒方監督は悔しさをにじませながら試合を振り返った、今季5度目の3連敗で1試合を残して交流戦の最下位が決まったことについては「そういう結果、内容」と短く語った。
九回まであった3度の得点機であと1本が出なかった。サヨナラ勝利目前の九回1死一、三塁では会沢が遊ゴロ、代打・長野もフルカウントから見逃し三振に倒れた。会沢は「何とかしたかった」と唇をかみしめた。
先発した左腕・田嶋の直球は140キロ台中盤にもかかわらず「打者の反応を見ていると、スピードガン表示より速く感じた」と迎打撃コーチ。さらにスライダーとのコンビネーションにも惑わされた。打順が2巡目に入っても捉えきれなかった。
得点力不足に泣いた交流戦だった。チーム打率・219、57得点はいずれも12球団ワースト。交流戦前まで固定していた打順をテコ入れし、3番に西川を置いたり、この日のように状態が上向きな高橋大を5番に起用したりした。ドラフト1位・小園(報徳学園)も昇格即「1番・遊撃」で抜てきするなど手は打ったが、打開策には至らなかった。
パ投手とは対戦が少ないため、「覚悟して振りにいくことが大事だったんだが、球を見てしまうことが多かった」と迎コーチは指摘した。たとえ空振りや凡打でもバットを振ることで得られる情報は大きいという。消極的になってしまったことで攻略の糸口を見つけられなかった。
ここまで5球団に負け越し、4勝12敗1分。24日は初のカード勝ち越しをかけて最後の楽天戦に臨む。「勝って終わりたい」と指揮官。28日のDeNA戦(横浜)から再開するリーグ戦に向け、負の流れを断ち切りたい。