高橋大樹が初1番1号 新妻に感謝の待望プロ7年目初快感
「DeNA13-3広島」(28日、横浜スタジアム)
完敗の中で、チームの未来を明るく照らす一発だった。広島・高橋大樹外野手(25)がプロ初の1番で先発し、プロ1号をマーク。1-1の三回に今永から放った、一時勝ち越しの一発だった。チームは今季ワーストの17安打を許し、13失点でリーグ戦再開初戦黒星スタートとなったが、プロ7年目がリーグ4連覇へ貢献する年としていく。
今後へ期待をもたらす、待望のプロ1号だった。高橋大は両手に好感触を残しながら、一塁ベースを回った際に着弾を確認した。「入ると思わなかった。上(6月16日から1軍)に上がって自分らしい当たりが出てなかったけど、自分らしい当たりを打てた」。試合後バスへ歩を進めながら言葉に力を込めた。
「自分が一番びっくりした」というプロ初の1番での先発。1-1の三回先頭だった。ファウル、空振り、ボールで迎えた4球目。今永の148キロ高め直球を迷いなく振り抜いた。打球は美しい放物線を描き、左翼席へと着弾。ダイヤモンドを一周しベンチへ戻ると、バティスタやメヒアに何度も頭をたたかれるなどナインに祝福された。
積極性も光った。この日の全4打席で見逃しストライクはゼロ。その中でも五回先頭ではボールを見極め四球ももぎ取った。「前よりは入りが良かった」。今季は4月中旬に1軍昇格し1週間後に降格していたが、再昇格後は今月19日・ロッテ戦でプロ初打点を記録するなど存在感を示し続けている。
首脳陣の評価も上々だ。緒方監督は「思い切りの良い、迷いのないスイングをしている」と称賛。迎打撃コーチも「1打席目が象徴している。全球種、全部振ったことに(成長が)表れている」と評価し、今季6人目となった1番打者としての今後の起用についても「明日も選択肢の1つ。チームに勢いをもたらすスイングをしてくれている」と話した。
より躍進を目指すシーズンだ。昨年12月に結婚。妻・五月さんには感謝の日々だ。好物である鶏の唐揚げは体を考え「最近揚げ物を控えている」というが、毎日手料理を作ってくれることなどに「ありがたいです」と語る。愛妻への思いをバットで体現した。
高橋大の奮闘があったが、チームは13失点を喫しリーグ戦再開初戦を黒星スタート。首位・巨人とは1・5ゲーム差に広がった。「続けていきたい」と背番号50。プロ7年目、ブレークの年としてみせる。