メヒア 逆転1軍残留を猛アピール あと1人から痛恨ドローも七回に逆転弾
「DeNA2-2広島」(30日、横浜スタジアム)
勝ちきれなかった不満は残る。同時に、希望も手にしたゲームだ。広島は1点を追う七回無死一塁で、バティスタと“外国人野手枠”を争うアレハンドロ・メヒア内野手(26)が1軍残留を猛烈にアピールする逆転2号2ランをかっ飛ばした。チーム内競争の激化は、活性化を生む。ここから、仕切り直しだ。
弾丸ライナーが横浜の雨空を切り裂いた。1点を追う七回だ。先頭鈴木の中前打に5番メヒアが続いた。2番手藤岡のスライダーを振り抜いて右方向へ。2試合ぶりの今季2号2ランで、一時ゲームをひっくり返した。
「ポイント前でうまく打つことができました。いいホームランになったね」
前夜のサヨナラ負けのショックを引きずるような劣勢だった。先発井納を攻略できず、六回まで二塁すら踏めなかった。重苦しいムードが漂っていたが、緒方監督から「後半戦のキーマン」に指名されたドミニカンが一発で雰囲気を変えた。
昨季ファームで4冠王(打率・337、20本塁打、59打点、出塁率・397)に輝いた実力を今季は1軍で発揮している。6月25日に初昇格、その日にスタメン出場した楽天戦(楽天生命パーク)こそ無安打に終わったが、リーグ戦再開後は3試合連続安打を記録。計10打数5安打3打点の大暴れだ。
ドミニカン2人のサバイバルレースが熱を帯びてきた。1軍外国人枠は「投手3、野手1」が基本線。勝ちパターンのレグナルト、フランスアは外せず、さらに3日にはローレンスが来日初先発する見込み。メヒアかバティスタか、2日のヤクルト戦のラスト1試合で判断されそうだ。
連敗ストップは目前だったが、守護神フランスアが誤算だった。2-1の九回2死三塁から代打佐野に同点打を献上。セーブ失敗に終わり、2試合連続の延長戦に突入した。3タテ阻止へ、延長十回はイニングまたぎしたフランスアが無失点。そこから決死のリレーを展開だ。6番手一岡が延長十一回を抑えると、延長十二回は高卒2年目遠藤が無失点。今季3度目のドローに持ち込んだ。
試合後、緒方監督が「また週明けから9連戦が始まるのでしっかり戦いたい」と話したように、首位巨人とは3ゲーム差で2日からは前半戦最後のヤマ場の9連戦が始まる。まずは本拠地マツダスタジアムの3連戦、地元ファンの大声援を味方にして反攻態勢を整える。