緒方監督「勝負は夏場」20年ぶり11連敗、巨人と11差も逆襲図る
「中日2-1広島」(10日、ナゴヤドーム)
広島が13連敗した1999年以来、20年ぶりとなる11連敗(1分けを含む)を喫した。2日に楽天から加入した三好匠内野手(26)が初出場初先発で先制点につながる初安打を放ち、新風を吹かせたが、トンネルから抜け出すことはできなかった。交流戦明けから白星がないまま前半戦を借金5の4位で終了。首位巨人とは11ゲーム差まで開いたが、このままでは終われない。後半戦で懸命な巻き返しを図る。
どうしても泥沼から抜け出せない。1-2の九回2死二塁の同点機も、最後は安部の一ゴロで敗戦。球団ワーストタイの13連敗を喫した1999年以来の11連敗(1分けを含む)。試合後、バスへ向かう緒方監督は「勝ってオールスターに入りたかったけどね」と重たい口を開いた。
新戦力の一打が苦境を打ち破りかけた。2日に楽天から加入した三好が「7番・遊撃」で移籍後初先発すると、相手先発・ロメロに完全投球を許していた六回無死の第2打席。「必死に打ちました。うまく打つことができました」と、3球目のチェンジアップをとらえて右中間へ二塁打を放った。うれしい移籍後初安打だ。
その後、1死三塁からジョンソンの一塁へのゴロをビシエドが本塁へ送球。三好の代走の田中広が執念のヘッドスライディングで先取点をもぎ取った(記録は野選)。
先制点につながる一打を放った三好に、指揮官も「よく打ってくれた。(チームに)ずっと安打が出ていなかったが、しっかりとした打球を飛ばしてくれた」と評価。今後、左投手での起用の可能性に迎打撃コーチも「結果を出したから当然あるだろう」と話した。
だが、“新風”が吹いても、今のカープは波に乗れない。七回1死一、三塁では小窪がスクイズをファウルし、その後、空振り三振。田中広も一ゴロに倒れた。暗転したのは八回。2番手・レグナルトが2死満塁から2者連続押し出し四球を与え、またしても勝利は手にできなかった。
前半戦を借金5の4位で終え、15年以来のBクラスターン。首位・巨人とは11ゲーム差まで開き、5位・中日とも0・5差だ。巻き返しへ向けて、2軍で調整中のドラフト1位・小園(報徳学園)とバティスタが1軍合流するとみられる。
球宴を挟み、15日のDeNA戦からリーグ戦が再開する。「本当の意味での勝負は夏場。また1つ流れが変われば、また良い方向にチームとしていけると思う。しっかり目標を持って戦っていきたい」と指揮官。もがき苦しむ王者の姿はもう見たくない。再開一発目から白星を飾り、反攻の後半戦としたい。