西川龍馬7日間で先頭弾3発 「マジ!?」仰天の球団記録で8連勝けん引

 「ヤクルト2-3広島」(27日、神宮球場)

 広島の西川龍馬内野手(24)が初回、自身3本目の先頭打者本塁打を放った。シーズン3本は2015年・丸以来4年ぶり。しかも21日の巨人戦が自身初。そこから7日間で3本目となり、三村敏之、緒方孝市の週間2本を抜いて球団新記録を樹立した。チームはソロ3発で8連勝、貯金2。首位・巨人との、17日時点の12ゲーム差が10日で5ゲームに。切り込み隊長による躍進は本物だ。

 1番西川が「神宮花火ナイター」の口火を切った。プレーボール直後、小川が投じた初球の145キロを迷わず振り抜いた。打球は逆方向へ伸びて真っ赤に染まる左翼席へ着弾。24日中日戦(マツダ)以来3試合ぶりの先頭打者本塁打で、チームに勢いをもたらした。

 「積極的に打ちにいきました。風にも乗ってくれましたね。初回にいい先制点になって良かったです。その後誠也も打ったので」

 後半戦に入り、ハイペースで先頭アーチを量産している。1週間3本は三村敏之、緒方孝市を抜いて、球団新記録だ。試合後、先頭弾について「たまたまです」と繰り返していた西川も、思わず「マジ!?」と声を上げた。

 右打ちだった小学生の頃は阪神・今岡のファン。法被に「龍馬」と刺しゅうして家族と甲子園へ足を運んだ。当時憧れた背番号7はシーズン7本の先頭弾を記録。恐怖の1番打者として攻撃をけん引した姿は今の西川と重なる。今季は4、9番以外すべての打順に座るが、後半戦から定着したトップバターが徐々に板に付いてきた。

 球宴期間の練習中、西川は前半戦の成績を「カスです」と吐き捨てた。今季は規定打席到達プラス「打率3割10本塁打」を目標に設定するだけに前半戦終了時点の「打率・264、5本塁打」は納得できるはずがなかった。球宴明けから調子を上げ、8試合連続安打中。打率も・275まで戻した。球団単独2位の27試合連続安打を記録した男が、再び快音を奏で始めた。

 三回は1死走者なしから右前打でチャンスメーク。中堅の守備でも三回無死一塁から青木の正面のライナーを好捕した。主力としての重圧は「あまり考えないようにしている」というが、存在感は日ごとに高まっている。

 チームはソロ3発で8連勝。貯金2となり首位巨人に5ゲームに迫った。西川は「勝っているので、それが何よりです」と満足顔。緒方監督も「接戦をものにして、もう一つ、明日全員の力で」と言った。ミラクルVへ、新・鯉のリードオフマンが赤ヘルを引っ張る。

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