ドラ1小園 9連勝導いた!球団高卒新人52年ぶり2号 首脳陣も脱帽
「ヤクルト5-12広島」(28日、神宮球場)
広島ドラフト1位・小園海斗内野手(19)=報徳学園=が2試合ぶりの2号2ランを放った。広島の高卒新人のシーズン2本塁打は、1950年紺田周三(3本)、67年三村敏之(2本)に次いで52年ぶり3人目の快挙だ。チームは今季最多タイの18安打で12点を奪い、今季2度目の9連勝。2位・DeNAとは0・5ゲーム差。30日からの巨人3連戦(東京ドーム)へ弾みをつけた。
黄金ルーキーがまた驚きの一発を放った。三回だ。3-1とし、なお2死二塁と好機は続き、8番小園が魅せた。2番手大下の初球カーブを鮮やかに振り抜くと、打球は弾丸ライナーとなって右翼スタンドへ。ベンチの首脳陣もナインも仰天の2号2ランだ。
「浮いてきたボールを逃さず打てたので良かったです。初球?積極的に振っていくのが持ち味なので。見逃したら悔いが残る」
2試合ぶりの本塁打は歴史的な一発だ。広島の高卒ルーキーのシーズン2本塁打は1950年紺田、67年三村に次いで52年ぶり3人目の快挙。球団新記録の4本塁打も十分に射程圏内だ。七回は中前打、八回も右翼フェンス直撃の安打を放って、今季2度目の猛打賞をマーク。ドラフト制後の高卒新人では球団史上初で、打率も3割を超えた。
周囲の予想をはるかにしのぐスピードで成長曲線を描いている。試合後、東出打撃コーチは「アイツは何なんや」と脱帽し「全部の打席に内容があった」と評価。緒方監督も「打撃の状態がいいのはもちろんだけど、打撃センスを感じる。あの子は捉えるからね」と驚きを隠さなかった。
「一歩目しっかり前に出て送球する」と心がける守備でも華麗なプレーを連発。三遊間の深いところから強肩を披露すれば、前方のボテボテの打球も軽やかにさばいてみせた。
横浜からの移動日だった18日は母校・報徳学園を訪問。大角監督から「頑張れ」と激励され「試合を見てくれていると思う」と奮い立った。理髪店で髪もサッパリ。母校は甲子園出場を逃したが、後輩たちの分まで、この夏は暴れる覚悟だ。
朝はホテルの自室でバットを振ってバスに乗り込んだ。「今週は(チームの)素振りがないので部屋で素振りしてました」。準備はもちろん1人で練習できる心の強さもある。
チームは今季最多タイ18安打を放ち、今季2度目の9連勝。貯金3まで戻し、30日から東京ドームで首位巨人との3連戦に臨む。「自分の持っているものを出せるように、一日一日全力でやりたいです」。規格外のルーキーに、大暴れの予感が漂う。