松山 5戦連続タイムリー「いい反応でしっかり捉えることができました」
「広島1-7巨人」(14日、マツダスタジアム)
広島・松山竜平外野手(33)が5試合連続打点を記録した。1点を追う四回、2死二塁から二塁手・若林のグラブをはじく同点打を放った。昨季は巨人・菅野に対して15打数無安打と沈黙も、二回に天敵から2年ぶり安打。気を良くしての、四回のタイムリー。上昇一途の松山が、赤ヘルを引っ張る。
松山の執念が白球に乗り移った。1点先制された直後の四回だ。2死走者なしから鈴木が10試合連続安打となる右中間への二塁打で出塁。若き4番のチャンスメークにベテランが応えた。1ボール1ストライクから147キロの直球を強振。鋭い打球は二塁手・若林のグラブをはじき、右前へ転がっていた。
「いい反応でしっかり捉えることができました。同点に追いつくヒットになって良かったです」
価値ある同点打の前から予兆はあった。二回の1打席目には菅野から2年ぶりの安打となる左前打を放った。昨季は15打数無安打、今季も試合前まで5打数無安打と沈黙していた。「低め、内外角のコントロールがいい。そういうところでやられた。年間通して打てるように頑張らないといけない」。開幕前から菅野へリベンジの思いは人一倍強かった。5番に定着した後半戦は打率3割超え。勝負強さも健在だ。5試合連続打点を記録した。
松山は自他共に認める夏男だ。なぜ夏に強いのか?答えは単純明快だ。「夏が好きだから。子どもの時から夏休みが楽しみだったしね」。鹿児島で過ごした幼少時代は海でも泳いだ。食欲不振、夏バテとは全くの無縁だ。昨季も8月の月間打率は・375のハイアベレージ。猛暑が続く33歳の夏も松山のバットは止まらない。
この夜は菅野対策として打線を大幅に組み替えた。今季の菅野は試合前の時点で右打者の被打率・213に対して、左打者の被打率は・294。バティスタ、メヒアのドミニカンコンビを外し、坂倉と安部の左打者をスタメン起用した。今季は3度目の対決。過去の試合はいずれも白星を飾っており、チームとして嫌なイメージはなかった。2点を追う七回は1死一塁で安部が打席に立ったが、一ゴロ併殺に倒れた。
台風10号が接近する中、試合前から雨が降り続いていた。雨脚が強まり、18時20分から23分間の中断もあった。首位巨人との決戦で背番号55がナインを鼓舞した。