広島サヨナラ 誠也劇弾!三好決めた!九回3点差をひっくり返した 4連覇あきらめん
「広島9-8ヤクルト」(20日、マツダスタジアム)
カープの執念が結実した。3点を追う九回に鈴木誠也外野手(25)の24号3ランで同点とすると、最後は三好匠内野手(26)が、自身初のサヨナラ打となる中前適時打。一挙4点を奪っての今季10度目のサヨナラ勝ちにマツダが沸いた。リーグ4連覇はまだあきらめん。
鮮やかに打球が中前へ抜けた。8-8の九回2死二塁。三好が近藤のスライダーをはじき返し、プロ8年目で初のサヨナラ打。今季のチームのサヨナラ勝ちは11度を記録した03年以来の16年ぶりの10度目。もう一人の立役者となった鈴木らから、お立ち台でウオーターシャワーを浴びた背番号35は柔和な表情を浮かべた。
「甘いところに来たら打とうと。(お立ち台は2度目だが)今日の方がうれしいです。試合を決められたので」
後ろの打者が会沢だったことから、東出打撃コーチには「勝負してくる」と声を掛けられ、集中力を研ぎ澄ませた。カウント2-2から低めの直球を冷静に見逃し、フルカウントから甘く入ったスライダーを見事に仕留めた。
土壇場でチームを救ったのは鈴木だ。九回は5-8で迎えていた中、先頭・西川が死球、菊池涼が左前打でつなぎ無死一、二塁。「打てる球が来たら打とうと思っていた」と3ボールからハフのカットボールを豪快に振り抜いた。左越えの値千金の24号同点3ラン。この日はそれまで3打数無安打だったが「次の打席、次の打席で気持ちを切り替えて」一発へとつなげた。
13日の巨人戦でもサヨナラ勝ちへいざなう二塁打をマークしていた鈴木。バティスタの出場選手登録抹消以降、3試合連続で3番での出場が続くが「打順が一つ繰り上がったくらい」と特別気にはせず、打席で仕事を果たそうと集中力を高めていた。
緒方監督も手放しでナインを称えた。「劣勢の空気の中、最後まで諦めず。キクがつないでくれて、誠也が勇気を持って3ボールから打つべき球を捉えてくれたね。三好もたいしたもん」と声を弾ませた。
首位・巨人とは6・5ゲーム差のままだが、連敗は2でストップ。「負けは許されない。特に小さなミスが命取りになる」と鈴木は力を込めた。土壇場に立つチームは、この劇勝から波に乗っていく。