高卒2年目・遠藤「本当に幸せ」 野茂氏の言葉力にプロ初星、チームは2位浮上

 緒方監督(左)から祝福され、プロ初勝利のボールを手に笑顔を見せる遠藤
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 「広島5-4ヤクルト」(21日、マツダスタジアム)

 感慨ひとしおだ。広島の遠藤淳志投手(20)が八回から登板し、1回を1安打無失点に抑えて念願のプロ初勝利を挙げた。今季26試合目の登板で、防御率2点台をキープする2年目右腕が2位浮上を導いた。逆転のリーグ4連覇をかけた残り27試合。全力で腕を振り続ける。

 待望の時を迎えた。右手に記念球を持ちながら、緒方監督と笑顔でフラッシュを浴びる。高卒2年目の遠藤が登板26試合目でプロ初勝利。「素直にうれしいです。本当にここに立てて幸せです」。初のお立ち台で、喜びをかみしめた。

 同点の八回に登板。先頭の山田哲を146キロ直球で一飛、バレンティンを遊ゴロ。雄平には左前打を浴びたが、最後は村上を右飛に仕留めて1回1安打無失点。「期待に応えられるような投球ができて良かった」。勝負どころでの登板で役割を果たし、白星が巡ってきた。

 6月7日のプロ初登板から10試合連続無失点もあったが、夏場は疲労もたまり「ふがいない投球が多々あった」と反省する。それでも、2年目ながらここまで貢献する姿は頼もしい。指揮官も「初勝利と聞いてびっくりした。チームに貢献してくれているから」と称賛。今後についても「そういうところ(勝ち継投)で投げてもらいたい」と期待を寄せた。

 転機は霞ケ浦高2年秋だった。新体制スタートの前日に不注意で右手を負傷。高橋祐二監督から「お前がチームを背負っていくんじゃないのか?」と猛ゲキを受け、ハッとした。試合で投げさせてもらえず、ひたすら走り続けたこともあった。自覚が備わり、練習からチームをけん引してプロへの道をこじ開けた。

 大投手の言葉も力になった。今年の日南春季2軍キャンプに、日米通算201勝を挙げた野茂英雄氏が訪れた。その日はシート打撃の登板日。「いい真っすぐを投げるね」と褒められると、プロ入り後に習得したチェンジアップも「もう少し深く握ると落ちやすいよ」との助言を受け、自在に操るための参考になった。

 チームは4カードぶりの勝ち越しで、2位に浮上。遠藤は記念球を茨城県に住む両親に贈るといい「ここまで育ててくれてありがとうございます」と感謝した。「やっと初勝利できたので、ここから波に乗っていければいい」。新たな一歩を踏み出した20歳が、サクセスストーリーを歩んでいく。

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