長野、帰還打ァ 八回満塁で代打、意地のピッチャー強襲安打 79日ぶり打点
「広島4-6DeNA」(30日、マツダスタジアム)
広島が2位・DeNAとの接戦をモノにできず、3連敗を喫した。3カ月連続の月間負け越しも決まった中、長野久義外野手(34)が79日ぶりのタイムリーをマークした。八回に代打で登場し、投手強襲の適時内野安打。23日の再昇格後初打点を挙げた。
最後まで勝利を願う鯉党の大歓声を、一身に浴びた。八回に代打で登場した長野が適時内野安打。チームは逆転負けとなり、試合後は言葉を発さずロッカールームへ入ったが、3時間49分の戦いで、ベテランの意地は確かに際立った。
割れんばかりの拍手を受けながら打席に立ったのは、4点を追う八回1死満塁。1ストライクから4番手・三嶋の2球目外角スライダーをはじき返すと、右腕の右足を強襲する適時内野安打。6月12日・日本ハム戦以来79日ぶり、23日の再昇格後初の打点で、味方が作ってくれた好機を生かした。
再昇格後のスタメン出場はここまで23日・中日戦のみ。出番が限られている中、高ヘッドコーチは「長野は状態が上がってきている。どんどん打ってくれればスタメンもある。打球も鋭くなってきた」と評価した。
7月3日に出場選手登録抹消され、約1カ月半の2軍生活。ウエスタンでは首脳陣に疲労を考慮され3打席で交代の予定だった日も、志願してもう1打席“おかわり”したこともあった。「若手にもよく声を掛けてくれる」と水本2軍監督。数々の実績を持つプロ10年目は、必死に努力の跡を刻んできた。
チームとしても波に乗りたい2位との一戦だった。この日からの3連戦では紺地の「ドッカンカープユニホーム」を着用。今季のキャッチフレーズ「水金地火木ドッテンカープ」をモチーフに、後半戦を勢いよく駆け抜ける決意が込められている。昨季の「℃℃℃ユニホーム」も初戦黒星から2勝1敗で勝ち越し。31日から連勝をスタートさせ、望みをつなげたい。
これで3連敗となり、3カ月連続の負け越しが決定。首位・巨人との差を縮めるどころか、2位・DeNAとも3・5ゲーム差に広がった。緒方監督は「最後までこういう展開になっても粘り強く攻撃してくれた。こういう接戦を勝つためには、どうしてもミスが出たら向こうに流れがいってしまう」と振り返った。残り19試合。奇跡を信じて戦い続けるしかない。