薬物陽性のバティスタに6カ月の出場停止 「ヒドロキシクロミフェン」検出はNPB初

 日本プロ野球機構(NPB)は3日、ドーピング検査で禁止薬物の陽性反応が出た広島のサビエル・バティスタ外野手(27)に対して6カ月の出場停止処分を科すと発表した。期間は同日から20年3月2日まで。球団側は17日まで許可されている異議申し立てはしない方針。バティスタの今後の契約については未定とした。ドーピング検査が本格的に導入された07年以降、違反による処分は7人目。

 バティスタは6月7日の試合後にドーピング検査でA検体が陽性反応。再検査を申し出たがB検体でも結果は変わらなかったことが8月17日、発表され同日、出場選手登録を抹消されていた。

 検出されたのは「クロミフェン」とその代謝物である「ヒドロキシクロミフェン」。同物質は世界反ドーピング機関(WADA)が「S4.ホルモン調整薬」として禁止物質に指定しているものだ。

 同物質は体内で生成されるものではない。NPBで検出されたのは今回が初めてだ。

 今季はオリックスのメネセスが筋肉増強剤の検出で1年間の出場停止処分を受けた。「WADAが決めている禁止薬物には特定物質と非特定物質がある」とNPBの井原敦事務局長。バティスタの場合は興奮剤や筋肉増強剤などではなかったことが、処分期間に反映された。

 バティスタは3月に海外製の2種類のサプリメントについて使用可能かどうかを球団に確認した。検査では、1種類から禁止薬物は検出されなかった。もう1種類は使い切っていたため検査はできなかったという。

 バティスタは球団を通じて「意図的に摂取していないことを信じてください」とコメントを出した。17年から6年契約を結んでいる。鈴木清明球団本部長は今後の契約について白紙とした上で「ずっと苦労してここまできた選手なので、そこも考えながら」と話した。近日中に帰国する予定。

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