ジョンソン10勝 球団記録更新4度目、1号ソロの“女房役”石原に珍要求
「ヤクルト0-3広島」(3日、神宮球場)
広島のクリス・ジョンソン投手(34)が8回2安打無失点で10勝目を挙げた。自身が持つ球団外国人投手記録を更新する4度目の2桁勝利。途中に25分間の中断もありながら、二塁を踏ませぬ隙のない投球。チームも負けられない試合が続く中、次回は中4日で8日・阪神戦の先発が濃厚だ。これでチームは2位・DeNAと3ゲーム差に縮めた。
雨中の一戦が決すると、ジョンソンは落ち着いた表情でナインとハイタッチを交わした。2年連続かつ、自身が持つ球団外国人投手の記録を更新する4度目の2桁勝利。ヒーローとなった来日5年目はキリリとした表情で喜びを口にした。
「10勝というのはいい数字。先発である以上、チームの勝ちに貢献しているということ。今日はストライクを投げて守備陣にしっかり仕事をしてもらうことができました」
直球やツーシームを軸にチェンジアップやカーブで相手のタイミングを外した。四回には先頭・青木に中前打を許したところで、降雨による25分間の中断。それでも「考え方の問題。長いイニングになったと考えれば大丈夫」と集中力を切らさず、再開後の3番・山田哲から中軸を3人斬りに仕留めた。終わってみれば8回2安打無失点。二塁すら踏ませぬ快投だ。
3、4月は5試合で1勝3敗、防御率7・20と不安定な投球が続いていたが、その後は安定感を発揮。左の軸としてのプライドを投球で体現する。ヤクルト戦も今季は0勝3敗、防御率9・00だったが、見事なツバメ退治。これで18イニング無失点だ。緒方監督も「今日はジョンソンの投球に尽きるでしょう」と目尻を下げた。
女房役の熱い援護にも応えた形となった。自身をリードで支える石原が、1号ソロをマーク。「イシ(石原)がいつもホームランを打ってくれれば素晴らしい。どんどん打ってほしい」と上機嫌の助っ人は珍要求も出した。
これで2位・DeNAと3ゲーム差に縮め、4位・阪神とは2・5ゲーム差に広げた。迫る虎を狩ることも重要になってくる。この日111球を投じた左腕の次回登板は中4日で8日・阪神戦の先発が濃厚だ。「10勝が目標ではない。その試合でチームに勝ちがつく投球をしていきたい。しっかり準備をしていきたい」と前を見据えた左腕。チームのために、最後まで腕を振り続ける。