長野神話崩壊…4番初黒星 カープ竜戦マツダ神話も止まった…
「広島2-3中日」(11日、マツダスタジアム)
広島がホーム10試合目で初めて中日に敗れた。長野久義外野手(34)が2安打で好機を広げたが、あと1本が出ず。4番に座って5試合目で初黒星を喫した。首位・巨人も敗れたが、残り9試合で5ゲーム差とリーグ4連覇は難しい状況。2位・DeNAとは1差。CS本拠地開催権を勝ち取るためにも、目の前の一戦に全力を尽くす。
球場全体がため息に包まれた。2-3の延長十回。菊池涼が遊飛に倒れ、試合が終わる。ホームゲームでの中日戦は無傷の9連勝中だったが、10試合目で初めて黒星を喫した。上位2球団を追う中で痛い敗戦になった。
「こうやってピッチャーが頑張った中で接戦に持ち込んで、あと1本、あと1点を先に取らないといけない試合だった。取り切れなかった、勝ちきれなかったということ」。緒方監督は淡々と試合を振り返った。
得点機を逃した。2-2の八回だ。1死から鈴木が中堅への二塁打で出塁。4番に入った長野が左前で続いて一、三塁とした。ここでベンチは動いて長野に代走・野間を投入し、打席には会沢が立った。
選手会長は三回に中前適時打を放っていた。ベンチは会沢の打撃に期待した。だが、148キロ直球をはじき返した打球は不運にも投直となり、R・マルティネスのグラブに収まった。スタートを切っていた野間は一塁に戻れず、痛恨の併殺で勝ち越し点を奪えなかった。天を仰いだ会沢は「仕方がない」と言葉を紡いだ。
七回1死三塁では、左腕・福の前に代打・磯村が空振り三振。2イニング連続で1死から三塁に走者を置きながら、無得点に終わった。
状態が上向いている長野を4番に起用して、5試合目で初めて敗れた。首位・巨人とのゲーム差を詰められず、逆に2位・DeNAとは再び1差に広がった。リーグ4連覇は絶望的な状況。現実的には2位となり、CSを本拠地で迎えることが目下の目指すところだ。もう負けられない戦いが続く。
残り9試合。12日は3カード連続で勝ち越しを狙う一戦になる。会沢は帰路に就く前「切り替えて頑張ります」と力を込めた。どんな状況になっても、目の前の1試合に全力を注ぎ込む姿勢に変わりはない。それが積み上げてきた広島野球の代名詞でもあるからだ。