広島ジョンソン“悪夢の六回” 痛恨2暴投で2点リード守れず
「阪神4-2広島」(21日、甲子園球場)
鬼の形相は、試合後まで崩れることがなかった。初回から快調に飛ばしていた広島のクリス・ジョンソン投手(34)だったが、2点リードで迎えた六回、突如として、らしからぬ投球を演じた。
先頭・梅野を四球で歩かせると、その後2死三塁となり、近本への3球目に暴投で1点差とされる。さらに近本、福留の連打で一、三塁からマルテへの3球目、またも暴投で追いつかれ天を仰いだ。
七回の打席で代打を送られ、勝敗はつかず。リーグトップを走る防御率はそれでも2・46と、2位の中日・大野雄の2・56とは開きがある。
しかし、今季ラスト登板の可能性が高いこの試合、3位以上を確定させるためにも絶対取りたかったところで、2暴投による2失点。試合が振り出しとなっての降板は無念でしかない。
「今日は何もないです」。硬い表情で、通訳にそう伝えたジョンソン。緒方監督は「いいピッチングをしていただけに、あそこが…」と、本人以上に六回の場面を悔やんだ。
残りは2試合。23日で全日程が終了予定だが、天候によってはずれ込む可能性もある。佐々岡投手コーチは「その時になって考える」と、日程と順位次第でもう1試合投げる可能性はある。いずれにせよ、期待に応えた11勝7敗の左腕。来季も頼む。そう思わせる投球だった。