赤松真人が引退会見、胃がんで思い「生きてるだけでいいんだ」 好守でファン魅了
広島・赤松真人外野手(37)が22日、マツダスタジアムで引退会見を行った。ユニホーム姿で会見に臨んだ赤松は15年間の現役生活を振り返り「15年間すごい長い間であまりこれといった成績は残していないけど、ここまでやれたのは皆さんの声援のおかげなので、本当に感謝してます。」とスッキリとした表情で振り返った。
赤松は2004年度ドラフト6巡目で立命大から阪神に入団。08年に新井の人的補償で広島へ移籍した。25年ぶりにリーグ優勝した2016年の12月に胃がんが見つかり、翌17年1月に手術を受けた。復帰を果たしたものの、1軍昇格は果たせなかった。
引退の決め手については「病気になってからです。引退は覚悟はしてました。引退しようと思ったのは今年に入ってからどうしても出番、起用方法が若手を使わなくてはいけないので、そこで間隔があいた時にパフォーマンスを出せるかと言ったらそうではなかった」と明かした。
一方、病気を経てのプレーに「楽しかったです。ぜいたくな時間でした。本当は病気をして、その後プロの世界というのはなかなかできないことだと思う。2年半やらせてもらったので、ぜいたくな楽しい時間でした」と感謝。そして「野球への思いもそうですし、生きてるだけでいいんだと。本当にそこがメインでした。死んでしまったら元も子もない。普通に生きてきたことに気付かされました」と、しみじみと話した。
10年8月4日の横浜戦では村田のバックスクリーン左への大飛球をフェンスに登りスーパーキャッチ。「あれは運だと思います。今の若い選手はみんなできるぐらいの運動能力がある。ああいう打球が飛んでくる運があるか。あとは練習中に結構遊びでフェンスに登る練習をやっていたので、それが役に立ったのかなと思います」。主に守備や走塁でファンを魅了し続けた。
この日は台風接近のため試合が中止となり、引退セレモニーも27日に延期となった。「僕らしいですよね。由宇(2軍での自身)の最終戦も雨で中止だった。今季マツダで初めて雨で中止と聞いて、みんなと野球する日にちが増えてうれしいです」と笑った。