【緒方カープの誤算1】1番打者探しで混迷し、バティ離脱で再組み替え…

 広島がリーグ4連覇を逃した。昨オフに、丸佳浩外野手が巨人へFA移籍し、新井貴浩内野手が現役を引退した。それでも前評判は高く、優勝候補に挙げる評論家も多かった。なぜ広島は敗れたのか、6回にわたって検証する。

 今年2月の春季キャンプ。緒方監督は田中広のフリー打撃を見つめながら「これで大丈夫なのか」と漏らしたという。この時すでに右膝に異変が起こっていた。指揮官の不安は的中してしまう。シーズンに入ると開幕から大不振。打順は不動の1番から下位に降格。懸命に復調の糸口を探ったが、打率1割台から抜け出せなかった。

 6月19日のロッテ戦ではコーチ陣が小園の抜てきを進言する中、緒方監督は田中広を1番で起用。無安打に終わると、翌20日の同戦はスタメンを外れ、連続フルイニング出場記録は635試合でストップした。運動量の多いショートで、3年連続リーグ最多の打席に立った。リーグ3連覇の貢献度に比例して、消耗度は計り知れなかった。8月中旬にはコンディション不良のため出場選手登録を抹消され、右膝半月板の手術を受けたと発表された。

 新たな1番打者探しは困難を極めた。昨季ブレークした野間も5月こそ1番で存在感を発揮したが、レギュラーには定着できず。前半戦だけで9人(16、17年=2人、18年=4人)が座り、前半戦の1番打者の打率は・196だった。トップバッターに求められるのは「後続の打者に勇気を与える姿」(迎打撃コーチ)。試行錯誤を繰り返した末、後半戦から西川が1番の適性を示し、ようやく反攻態勢が整ったはずだった。

 そんな折、ショッキングなニュースが現場を襲う。ドーピング検査で陽性反応が出たバティスタのチーム離脱だ。今季は打率・269、26本塁打、64打点。丸が抜けた3番に座り、チームをけん引していただけに大きな痛手となった。打線は再び組み替えを余儀なくされ、不動の4番だった鈴木を3番、松山を4番に据えた。しかし緒方監督が「勝負」と位置づけた夏場の離脱はタイミングが最悪だった。後半戦開始後、離脱前は19勝9敗と好調だった広島だが、離脱した8月17日以降は12勝17敗と失速した。

 8月27日、首位の巨人と6・5ゲーム差で、敵地東京ドームに乗り込んだ。指揮官は「総力戦で戦う」と意気込んだが、痛恨の負け越しで7・5差に広がった。3戦目は丸の満塁本塁打などで完膚なきまでに叩きのめされ、リーグ4連覇への希望が断たれた。

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