広島・会沢 サヨナラ!「ナガさんが打たせてくれたのかな」 CSへ王手
「広島4-3中日」(23日、マツダスタジアム)
秋の気配が漂い始めたマツダスタジアムが歓喜に沸いた。3-3の延長十回、広島・会沢が振り抜いた打球が中前で弾む。ベンチの永川も大喜びだ。球団史上最多となる今季12度目のサヨナラ勝ちで、CS進出へ王手をかけた。
「良かったと思います。前進守備だったので内野の頭は越えたと思った。ナガさんが打たせてくれたのかな」
永川の引退試合に花を添えた。試合前には永川の長女が始球式に登場。スタンドがどよめくほどのストライクボールを捕球して、パワーをもらっていた。
永川は引退会見で、「ベースの前にワンバウンドするようなフォークをみんな体を張って止めてくれた」と捕手陣に感謝。その言葉を聞いた会沢は恐縮しきりだった。「逆に僕らが鍛えられました。偉大な大先輩。感謝しています」と言った。
最も印象深い試合は昨年の6月7日・日本ハム戦(マツダ)を挙げた。永川が左膝クリーニング手術から復帰した一戦でバッテリーを組み、2イニング無失点。「心にグッとくるものがあった」と感慨深げに振り返った。
今季3度目のサヨナラ打でポストシーズンへ大きく前進だ。27日の中日戦(マツダ)に勝てば決まりだが、それまでに阪神、中日がそれぞれ1敗ずつすればCS進出が決定。「最後の1試合、必死になってやりたい」。プロ初の規定打席に達した頼もしい選手会長が、背中とバットでチームを引っ張っていく。