山口 佐々岡監督のススメで2段モーション挑戦「何かを変えないと」
広島の山口翔投手(20)が31日、佐々岡真司監督(52)の提案で、2日から始まる秋季キャンプから本格的に2段モーションに挑戦することを明かした。みやざきフェニックス・リーグでは、5試合で計13失点。体が突っ込む悪癖を修正できずに苦しんだ。新フォームを身に付け、飛躍のきっかけにする。
山口は真っすぐ前を向いて、決意を言葉に変えた。これまでのフォームを継続していては進化がない。自らの殻を破ることを目指す大事な秋季キャンプ。佐々岡新監督から勧められた2段モーションに、本格的に取り組んでいく。
「やってみようと思っています。僕の課題は体が前に突っ込んでしまうこと。何かを変えないといけないと思っていたし、良い方向に捉えてレベルアップしていきたいです」
投球モーションに入って左足を上げたとき、上半身が先行して捕手側に傾く傾向があった。上半身と下半身の連動性に欠けることが多く球威が出ず、制球も難しかった。悪癖の克服に試行錯誤した。それでも明るい兆しは見えてこなかった。
どん底だったのが、みやざきフェニックス・リーグだ。5試合に登板して無失点だったのは1試合のみ。22日のヤクルト戦では3回で86球を投げて11安打9失点。入団以来、右腕を見てきた佐々岡新監督は「突っ込む癖がある。秋だし、やってみてどうなるかを見てみたい」と期待を寄せた。
上げた左足を一度下ろし、再び上げる2段モーション。過去に取り組んだことは一度もない。マツダスタジアムでの秋季練習に参加したこの日は、キャッチボールで足の上下動を試した。「下ろしたときに、体が前に行こうとしていた」。想像していた以上の難しさだった。
大瀬良が2段モーションを習得している。挑戦決断後にはユーチューブでエースの投球を注視した。秋季キャンプに大瀬良は参加しないため直接指導を受けることはできないが、気になったことは質問して助言を求めていく。
今季は初めて1軍に昇格し、9試合に登板して1勝3敗。プロ初勝利を手にして喜びを味わった一方、1回3失点KOなどの悔しさも味わった。3年目の来季はローテ入りを目標に掲げる。「この秋に自分のフォームを確立したい」。実りある秋にするため、日南で汗を流す。