中村恭 新たな決め球フォーク磨く セットアッパー進化誓う
広島・中村恭平投手(30)が3日、廿日市市の大野練習場で行われた2軍秋季練習で、新たな決め球としてフォークを磨き、進化することをテーマに掲げた。今季は自己最多の43試合に登板し、セットアッパーを任されるまでの大躍進を遂げた左腕。今季ほぼ使ってこなかった球をモノにし、さらなる高みを目指す。
大躍進したプロ9年目。だが中村恭はもう一段高いステージを求めて鍛錬に励んでいる。自らに課すのは決め球としてフォークを自在に操ることだ。元々持ち球でもあるが、「精度が良くなかったので、今年はあまり使っていなかった。安定して質がいいのを投げられればいい」と端正なマスクを引き締めた。
1軍で多くの経験を積んだからこそ感じた課題だ。力強い直球とスライダーで相手をねじ伏せた今季。しかし「2球種だと何回も対戦するとどっちかに絞られた。相手の考える選択肢が3つになった方が確率的にはいい。変化球を意識させられる球、空振りを取れる球があればいいな、と」と狙いを説明した。
シーズン終盤の9月下旬に上半身のコンディション不良で出場選手登録を抹消されたが、現在は問題なし。秋季練習中は1クールに1、2回ブルペンに入り、フォークの握りなどを試行錯誤していく。「フォークが生きれば、真っすぐも生きてくると思う」と前だけを見据える。
セットアッパーも任された今季は自己最多の43試合に登板し防御率2・64。「自分が思ったよりやれたことは良かった。でも今年2回離脱して。1年間帯同できるようにしたい」。永川が引退したことで、来季チームの日本人投手最年長となる左腕。己を磨き、さらにでっかくなる。