野間 新打法でマルチ安打 再生着手の朝山コーチ「今の形合ってる」
「広島紅白戦、紅組7-2白組」(3日、天福球場)
広島・野間峻祥外野手(26)が3日、宮崎県日南市で行われている秋季キャンプ初の紅白戦に「1番・中堅」で先発出場し、マルチ安打の活躍を見せた。今季はレギュラーの座をつかめず、消化不良のシーズンを過ごした。新任の朝山東洋打撃コーチ(43)から、レギュラー再奪取の期待をかけられる中、今キャンプで復活の足がかりをつかむ。
佐々岡新体制初の実戦で、野間が日南の鯉党を沸かせた。今秋から挑戦中のバットを寝かせる新打法から快音を連発。指揮官は「2本のヒット、やっぱり1軍で出ている選手」と称賛。試合後、黒く焼けた野間の表情にも手応えがにじんだ。
「40日ぐらい試合から離れている中、結果が出たのは良かった。(新打法は)実戦の1発目にいい形、いい見え方ができました。(バットを寝かしている)龍馬(西川)、(西武の)秋山さんも(打席の)後ろから(投球を)見える感じがする。自分は頭が前に出てしまうので、ゆっくり球を見られています」
まずは初回、紅組の先発・高卒2年目の遠藤から右前打。1死後、二盗を決めると、西川の左前適時打で先制のホームを踏んだ。1点リードの三回には鋭い打球を左前へ。マルチ安打の活躍に、復活の予感が漂った。
朝山新打撃コーチは就任直後、期待の選手に野間の名前を挙げて、再生に取りかかると宣言した。今キャンプでも「小さくまとまらず強く振るように」と助言をし続け、「今の形が合っている。現状に満足せずに、飛ばす力もあるので、長打を狙えるバッティングを目指してほしい」とさらなる成長に期待を寄せた。
強い危機感を持って日南に訪れた。昨季はプロ初の規定打席に到達。今季も中堅レギュラー候補に期待されながら、123試合出場で打率・248、2本塁打、16打点と低迷。一度はつかんだはずの定位置を手放した。
来季も外野手争いは激しくなる。右翼は4番鈴木で不動。中堅の西川は三塁再挑戦中だが、外野に戻る可能性も十分にある。ベテラン長野は海外FA権を行使せず、広島残留を表明。前日2日には新外国人ピレラの獲得が決まった。足と守備が武器の野間がサバイバルに割って入るには打撃復調が欠かせない。
野間は「これをしっかり続けていきたい」と気合。朝山コーチの期待にも「ファームに落ちたときからずっと目にかけてくれていたので、結果で応えられたらいい」と恩返しを誓う。来季はプロ6年目。試練を乗り越え、もう一度、レギュラーの座を取り戻す。
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