菊池涼 メジャー挑戦 ポスティングでの「チャレンジ尊重」 残留も“容認”

 広島は8日、米大リーグ挑戦を希望する菊池涼介内野手(29)について、ポスティングシステムを利用しての移籍を容認すると発表した。同選手は昨オフの契約更改交渉時に移籍希望を公表。数日前に申請の要望を申し入れ、受諾された。今後は球団がNPBに申請手続きをし、交渉解禁を待つ。

 夢の扉が開かれた。この日の午後、広島はポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦を目指していた菊池涼について、希望を容認すると発表した。鈴木球団本部長は「これまで球団に多く貢献してくれた。彼のチャレンジを尊重したい」と球団を通じてコメントした。

 今季は二塁手として7年連続7度目となるゴールデングラブ賞を獲得。バットでは長打力を兼ね備え、2番打者としてバントや右打ちなどチーム打撃にも徹した。昨季までのリーグ3連覇は、菊池涼抜きには語れない。

 球団はこれまでの貢献度を高く評価。さらに今季取得した国内FA権を行使しなかった“男気”にも心を揺さぶられたという。

 松田オーナーは「前から容認するつもりだった。FAしないで残ったことで、うちに対する気持ちをもらった。戦力はダウンするかもしれないけど、8年間の功績を考えたら、ありがたい。感謝しているし、手伝いできることはしたい」と背中を押した。また契約がまとまらなかった場合についても「戻って来たら良い」と広島残留を受け入れる方針を示した。

 菊池涼は一昨年、日本代表としてWBCに出場。大会後には球団や松田オーナーに将来的なアメリカ挑戦の夢を語っていた。そして昨オフの契約更改で希望を正式に伝えた。会見では「野球をやっている以上、トップのレベルでやってみたいと思っている選手は多いと思う。僕もその一人」と偽らざる思いを言葉に乗せた。

 現在は侍ジャパンの一員としてプレミア12を戦う。世界一を目標に掲げる中で、台湾での1次ラウンドでは全3試合で「2番・二塁」でスタメン出場。全試合で安打を放ち、打率・500と2次ラウンド進出の一翼を担っている。この日は希望者練習だったため、チーム宿舎で静養に充てた。

 16年1月には前田健太がポスティングでドジャースに移籍。今回、菊池涼が海を渡れば球団野手の日本選手では初めてとなる。広島で育った背番号「33」が、大志を抱いて世界へ飛び出す。

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