長野 再起約束 カープファンに「かっこいい姿」見せる 5000万の大減俸
広島・長野久義外野手(35)が12日、マツダスタジアムで契約更改交渉に臨み、5000万減の1億7000万円プラス出来高払いでサインした。移籍1年目は自己最少の72試合の出場に終わったが、再起へ向けてオフは走り込みを増やす予定。また来年のキャンプは1軍の日南ではなく、温暖な気候の沖縄で開始する2軍でキャンプインするプランも浮上した。万全な状態をつくり、スタートダッシュを目指す。(金額は推定)
広島で初の契約更改となった長野は約40分の交渉後、決意を新たにした。「今まで一回も金額を言ったことがないので、今年も控えさせてください」と自身の口から明かすことはなかったが、5000万の大減俸。1億7000万円プラス出来高払いで来季の契約を交わしたベテランは、今季のふがいない思いを言葉に変えた。
「チームが勝てなかったことが一番悔しかったですし、自分の成績も良くなかったので申し訳なく思っています」
今季は打率・250、5本塁打、20打点といずれも自己ワースト。ただこのまま終わる男ではない。鈴木球団本部長も「一年間レギュラーとしてやってもらいたい。『ぜひ(優勝旅行で)ハワイに連れて行ってください』とお願いしています」と奮起を促した。
復活への思いは人一倍だ。「もう一度体を鍛え直して、春先からいい成績を残せるようにしっかり体を作っていきます」。例年序盤から力を発揮するタイプではないが、今季も7月上旬の2軍降格まで打率は2割台前半。来季は東京五輪の影響で開幕も3月20日に前倒しとなり、さらに調整は難しくなる。しかし長野は「早めに仕上げます」と“スロースターター”を返上し、開幕ダッシュを目指す覚悟だ。
汚名返上の来季へ向け、このオフは特に走り込みを例年以上に増やし、下半身をいじめ抜く予定だ。「夏場以降、足が結構動くようになったので、その辺が良かったのかなと」。自主トレ地については「海外?尾道です」とおどけてみせたが、隠密トレで鍛え上げ、シーズンに備える。
長野復活へ、この日マツダスタジアムに訪れた高ヘッドコーチは特別プランを明かした。「暖かい所でね」。1軍が日南から沖縄に移動するまでの春季キャンプ前半は、来年から沖縄でキャンプインする2軍で調整させることを示唆。秋季練習中には長野から来季へ「気合を入れてもう一回やります」と言葉も受けたそうで「巨人時代、相手にとっては嫌な存在だった。それを味方で感じたい」と大きな期待を寄せる。
シーズン後は保有する海外FA権を行使せずに残留を決意した。「このチームで優勝したいという思いと、カープファンの皆さんにかっこいい姿を見せたいと思ったのが一番の要因です」。長野らしい姿を、来季こそは鯉党に見せる。