菊池が残留決めた!メジャー封印 球団野手史上最高4年12億円 見せたカープ愛
ポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた広島の菊池涼介内野手(29)が27日、マツダスタジアムで記者会見し、カープ残留を表明した。米球団との交渉期限が来年1月3日午前7時(日本時間)と迫る中、年越しを待たずに結論を出した。4年12億円プラス出来高で契約を更改。来季、不動の二塁手はリーダーとして先頭に立ち、V奪回と日本一を目指していく。(金額は推定)
赤いネクタイを締めた菊池涼が席に着いた。球団が12月上旬にポスティングシステムの申請手続きを終え、約3週間が経過。無数のフラッシュを浴びながら、すっきりとした表情で自らの思いを言葉に変えた。
「本日、カープ球団と残留の交渉をいたしまして、残留することを決めました」
昨年の契約更改交渉で、同システムを利用してのメジャー挑戦を直訴。今オフは代理人を通じて交渉を続けてきた。球団幹部や代理人らが一堂に会する同月中旬のウインターミーティング中には渡米した。
15日までに帰国し、移籍先を探していたが「FA市場の動きが遅いこともあり、この状況が続くのであれば、カープに早く残ると伝えた方がいいなと思った」。交渉過程については明かさなかったが、来年1月3日午前7時(日本時間)の交渉期限を前に残留を決断。26日に球団に伝えた。
「本当に悩み、考えた」。代理人とのミーティングなど、例年とは違うオフを過ごした。夢への挑戦をあらためて実感する日々。その一方でチームに対する思いは持ち続けた。
「どこかでまた赤いユニホームでやりたいという気持ちもあったというのは本音。自分の思いをくんでくれた人と来年、一緒に頑張っていきたい」
来年の東京五輪については「関係ない」ときっぱり。感謝の気持ちなど、愛着が決め手の一つになった。順調なら海外FA権を21年に取得するが、「年齢的に考えたら難しいと思う」と、今後はメジャー挑戦を封印する。
年俸は球団野手史上最高額になった。佐々岡新監督を旗頭にBクラスからの巻き返しを目指す来季は、V奪還と日本一が目標だ。松田オーナーからはリーダーとしてチームをけん引してほしいと言葉を掛けられた。
「より一層やらなきゃいけない立場にもなるので、また違った僕で挑戦しなきゃいけないこともある。新しい僕を期待してもらいたい」。背番号「33」は決意を新たにマツダスタジアムのグラウンドに立つ。