【小園インタビュー2】10発&2桁盗塁へ 鑑は誠也&松山
広島の小園海斗内野手(19)がデイリースポーツの新春インタビューに応じ、2年目となる今季へ向けて遊撃の定位置奪取を目標に掲げた。ルーキーイヤーの昨季は58試合に出場しプロ初安打、初本塁打を放つ一方で、守備では失策でチームの足を引っ張ったこともあった。すべての経験を力に変え、大きな目標へ突き進む。=インタビュー2
◇ ◇
-昨年の秋季キャンプでの収穫は。
「打撃ではボール球を少しは振らないようになりました。だから紅白戦では四球を選ぶことができるようになった。去年は四球が58試合に出て6個しかなかったですからね」
-変わることができた要因は。
「打席の中で立つ位置を変えたことが大きかったです。今までは投手に最も近い場所だったけど、秋から一番後ろに立つようにしました」
-きっかけは。
「10月のみやざきフェニックス・リーグのとき、東洋さん(朝山1軍打撃コーチ)に『後ろに立ってみろ』と言われたんです。これまでも立ってみた経験はありました。ただ、プロは変化球の切れがすごいので、落ちたり曲がったり変化をする前に打ちにいきたいと思って、一番前で構えていました」
-距離にすると50センチ。得られたメリットは。
「捕手側にある白線を左足で踏むんじゃないかというくらい後ろに立っています。最初は慣れなくて違和感があったけど、球を呼び込めるようになりました。球の軌道が長く見えるようになったから、曲がりとかをしっかり見極められるようにもなったかな。今年は四球の数をもっと増やしていきたいという思いがあります」
-ボール球を振らなくなれば打率も上がる。
「誠也さんを見ていると、平気でワンバウンドを見逃しますよね。投手を全く相手にしていないように感じることがありました。だから、ベンチに座っているときに、どうやって見極めているんだろうと思っていたんです。選球眼が良くなってボール球を振らなくなれば四球で出塁できる。打率も下がらない。本当に大事です。塁に出られたら盗塁するチャンスも出てくる。成功すれば二塁打を打ったのと同じ価値があると思うから、選球眼を良くしていきたいです」
-東出、迎の両打撃コーチは、小園選手の積極性を高く評価していた。空振りをしても良いからと。どんな投手との対戦でも、まずは思い切ってバットを振れることが大事だと言っていた。
「その姿勢は失いたくありません。ただ、ブンブン丸だけでは通用しない世界。松山さんに話を聞いたとき、自分も昔はそうで、しっかり見極められるようになってから活躍できるようになったと言われました。選球眼が大事だぞと言ってもらいました」
-話をしたのはいつごろ?
「松山さんが頭部死球を受けて2軍で再調整している時期に話をしました」
-松山選手はチーム屈指の打撃技術を持つだけに、得られたものも多かったのでは。
「バットの軌道とか、左足の股関節に体重を乗せる方法とかを聞きました。どうやっているんですか?と。松山さんは逆方向にも大きい打球を打てる。それはバットの軌道がしっかりとしているからだと思うんです。たくさん話をしてもらったし、見て学ぶこともありました」
-定位置奪取のためにはバットでのアピールも必要になる。
「まずは試合に出ることが目標です。グラウンドに立てるように必死にやっていきます。数字は…ホームランは2桁は打ちたい。10本!頑張ります」
-昨季は低めの球や変化球に苦しんだデータが残っている。対応力も課題になりそうだ。
「低めは結構好きなんです。でも、去年は自分の中で高めに狙い球を設定していた。低めまでついていく余裕がなくて、打ったとしてもギリギリのところでレフト前に持っていく感じだった。言い換えればそこまでの技術しかないんです」
-今季は他球団もより弱点を突いてくることが予想される。
「自分の実力を上げることが、まずは最優先。その次にスコアラーの方から資料をいただくことができるので、それをしっかりと見て、自分がどういうふうに攻められているかとか傾向を頭に入れて打席に立ちたい」
-守備や走塁も持ち味だ。
「去年のフェニックス・リーグではミスが多かった。秋のキャンプでは山田コーチに教えてもらいながらレベルアップを目指してきた。打球への入り方やワンバウンドの打球の捕り方など良い方向にいっていると思う。走塁に関しても純さん(広瀬コーチ)と一緒にやってきた。いろんな走り方を試して、撮ってもらった動画を見て軸足の位置を変えたりした。ちょっとずつですけど良くなっています。盗塁は2桁は走りたいです」
-飛躍の2年目になりそうだ。
「はい、本当に楽しみです!」
◆小園 海斗(こぞの・かいと)2000年6月7日生まれ、19歳。兵庫県出身。178センチ、84キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号51。今季推定年俸1000万円。報徳学園から2018年度ドラフト1位で広島入団。プロ1年目の19年6月20日・ロッテ戦(マツダ)で初出場初先発(1番・遊撃)。