田中広VS小園 広島の遊撃は一騎打ち「競争させます」佐々岡監督 金本氏に明言
広島の佐々岡真司監督(52)が26日、春季キャンプでの遊撃争いが田中広輔内野手(30)と小園海斗内野手(19)の一騎打ちになると語った。広島市中区の「オークリーストア広島店」で行った広島OBで前阪神監督・金本知憲氏(51)=デイリースポーツ評論家=とトークショーで明かした。火花を散らす激しい競争からのレベルアップに期待を寄せた。
佐々岡監督と金本氏のトークショーは、和やかな雰囲気で進んだ。その中盤。金本氏が「僕から質問して良いですか?」と自ら切り出した。「ショートはどっちでいくんですか?」とズバッと切り込み、指揮官ははっきりと答えた。
「田中と小園を競争させます」。リーグ3連覇の立役者と今季2年目を迎えた若鯉。2人の一騎打ちを宣言した。
田中広は昨季97試合の出場で打率・193。連続フルイニング出場は途絶え、8月には「右膝半月板部分切除手術」を受けた。思うように歩めなかった1年。雪辱に燃える思いへ期待を込めた。
「優勝したときのリードオフマン。(去年は)悔しい気持ちがあったと思う。広輔の意地に期待している。選手会長にもなり、引っ張る気持ちもあるから」
挑戦者の小園は昨季、高卒新人ながら58試合に出場した。ミスはあったが、走攻守で起爆剤になった。「去年1年経験した。伸びしろというか、将来チームを引っ張っていく選手になれる器はある」。今年で20歳。恐れることなく、積極的なプレーを望んだ。
「最初は不安だったけど、今は楽しみな方が大きい」。春季キャンプのテーマは「競争」。田中広VS小園に代表されるような火花散る争いから、戦力の底上げを図っていく。
1歳後輩の金本氏とのトークショーは、笑いが絶えなかった。金本氏が「ババ社長」と呼んでいると言って笑いを誘うと、佐々岡監督は無安打無得点試合を達成した99年5月8日の中日戦の裏話を明かした。
大記録達成後、ナインとタッチを交わす中で「コイツはレフトから来て、ババチョップしたんだ」。金本氏も呼応し「懐かしいな」と感慨に浸った。
その一方で空気が張り詰めた場面もあった。監督としてのキャリアは金本氏が先。「(選手を)信頼してもいいけど、信用し過ぎたらいけない」。“先輩”からの助言に、真剣な表情で耳を傾けた。
指揮官は「みんなで一体感を持って。去年の悔しさをバネに、V奪還と日本一を目指して頑張ります」と締めくくった。間もなく始まる戦い。大きな目標を胸にチームを率いていく。