広島・スコット、V方程式を“ジャッカル”する!母国・南アのラグビー世界一に続くぞ

 広島の新外国人、テイラー・スコット投手(27)が28日、勝利の方程式を奪い取る決意を示した。来日前に5~6度ブルペン入りしており、準備は万全。この日はマツダスタジアムに隣接する屋内練習場でキャッチボールし、仕上がりの良さを印象づけた。母国の南アフリカは昨年、ラグビーW杯日本大会で3大会ぶり3度目の優勝を果たした。新助っ人が自らのポジションを「ジャッカル」する。

 力強い軌道だった。底冷えする屋内練習場でスコットは寒さをものともせず、キャッチボール、遠投で汗を流した。前日27日の入団会見後に続き、2日連続での練習。横手気味から放たれる球は持ち味であるナチュラルにシュートしながら、DJ・ジョンソンのグラブに収まった。

 「時差ボケはない。南アフリカからアメリカには飛行機移動。だから慣れているんだ。肩も仕上がっているね」

 今季の日本の開幕が昨季より1週間早いことを見越し、例年より約1カ月前倒して体を仕上げてきた。昨季終了後、2週間のオフを挟んで10月下旬にはトレーニングを開始。来日前には、捕手を座らせてブルペンにも入ったという。

 「5~6回かな。日本のキャンプは初日からみんなブルペンに入ると聞いているんだ」。2月1日に全開投球できる準備を整えてきた。初日から佐々岡監督ら首脳陣にアピールする構えだ。

 チームは中継ぎ陣の再整備が懸案事項。指揮官は守護神候補の一人としており「勝利の方程式」入りへ期待がかかる。新助っ人も自覚は十分で「去年は3Aでクローザーもした。臨機応援にできる自信はある」と力を込めた。

 母国の活躍を大きな力に変える。昨年のラグビーW杯日本大会で、南アフリカは3大会ぶり3度目の王者に輝いた。スコットも楕円(だえん)球に親しんで育ったが「体が横ではなく縦に大きくなったから、続けるのは難しかったんだ」とラグビーを断念して野球の道を選択した。

 「NPBで初となる南アフリカ選手として、恥ずかしくないものを見せたい。自分の国には誇りを持っているから」。最速155キロの速球とスライダーが武器。回またぎをいとわない丈夫な体も持ち合わせる。長所をアピールして「勝利の方程式」をジャッカルする。

 入団会見後の夜は、DJ・ジョンソン、ピレラの3人でお好み焼き店を訪れた。「広島に来る前に勉強していたんだ。箸も大丈夫だったし、おいしく食べられたよ」。広島のソウルフードにも舌鼓を打ち、充電は完了。間もなくサバイバルレースに臨む。

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